<離婚のこと(6)> | テルコさん 〜天然86歳との付き合い方〜

テルコさん 〜天然86歳との付き合い方〜

娘です。
母の名前はテルコ。
ワタクシ、母のことをどうしても好きになれません。
日々の苦悩を正直に、そしてあっけらかーんとつづります。

そう、前夫は調理師でした。

 

 

 

 

何せ近くに大学なんてない田舎だからね、高校を卒業したら働くか専門学校というのが普通。

 

彼のご両親も「手に職をつければ、どこでも食っていける」という考えだったし、そこで、小学生の頃から料理やお菓子作りが好きだった彼は、ごく自然に調理師の道へ進んだわけです。

 

 

 

 

その割に・・・

 

プライベートじゃ料理なんてめったにしません。

カップラーメンのお湯さえ面倒臭がる。

 

そんなもんですかねぇ。

 

 

 

でもね、

年に1回くらいは作ってくれる。

 

 

 

 

にしても・・・

 

別においしくな〜い汗

 

 

 

 

なんつーかね、まずくはないけど、調理師が作ったという特別なおいしさも独創性もない。そこらへんの主婦が作ったのと同じ。

 

 

 

しかも、メニューはいつも『煮込みハンバーグ』。

 

 

 

本当に・・・調理師ですか??

 

 

 

っていうかね、実は本人も気づいていたことだし、それゆえ、早々に調理師としての限界を感じちゃったわけですよ。

 

 

包丁の使い方には自信がある。正確にきれいに切ることができる。

そして、レシピ通りに正確に調理することができる。

 

でも、レシピがなくちゃ作れない。

自分で味を作れない。

独自のレシピも作れない。

 

これじゃ、永遠に言われた通りに作るだけの下働き調理人だ。

 

 

 

そこで彼は思いつきました。

「そうだ。料理だけでなくお酒を扱える調理人ってどうだろう? これなら活躍の場が広がるぞ!」

 

 

 

ということで、バーテンダーの資格を取るべく、お酒の勉強のために上京したところで私と知り合ったわけですが・・・

 

発想力・独創性がないっていうのは、料理がお酒に変わったって一緒よね。

 

ってか、何やっても同じよね。

 

 

 

 

しかも、バーテンダーっていうのは、カクテルを作るだけじゃダメで、接客こそ命。

 

完全に不得意分野じゃね?

 

 

 

 

あのね、『コワイお兄さんたちに囲まれたカラテカ矢部』的な挙動不審な男ですよ。

顔は海老蔵さんですけど、接客能力ゼロですよ。

ニコニコ笑って「そうですね」を繰り返すのは得意ですが、それだけじゃ・・・ねぇ汗

 

 

なんつーかね、嫌われることはないけど、「名前や顔を覚えられる」「気に入られる」「ファンがつく」ことはない。

 

でもまぁ、『誰でもいい存在』っていうのはある意味重宝だし、すごいことだわ。

 

 

 

 

彼と結婚したのは、彼が銀座7丁目の小さなバーで働いていたときでした。

 

そのバーのオーナーのお姉さんが占い師だそうで、その鑑定の結果、「入籍最適日は1月20日だって」と言われたのが12月初旬。

ま、これがプロポーズ代わりですね。

 

 

 

 

ちなみに、「結婚しよう」っていうベタなプロポーズに憧れますが、なぜか1度目の結婚も、2度目の結婚も、プロポーズってなかったのよね。なのに入籍してる私もどうかと思うけど笑い泣き

 

 

 

 

さて・・・

 

この後、前夫は諸事情が重なってバーテンダーを辞めることになります。

 

 

 

 

それにしても、前夫は有り得ないほど仕事運に恵まれない人でした。こんなに偶然って重なるもんなのね〜、と。

 

それはそれで、ネタになるのでその話を次回にしましょうかね。