早朝5時、まだ外は暗い。
風は毎週木曜日、取引先へ早朝に納品へ行く。
風
「いってきまーす」
先生
「気をつけてね」
眠そうに見送る先生。
配達車にエンジンをかける。さぁ、頑張るぞ。
いつも同じあたりで見る朝日が綺麗で、写真を撮って輝におはよう、と送ったことをふと思い出した。
風
「輝くんは元気かな…」
ヒルクライムの春夏秋冬を口ずさみながら、日が登って明るくなる空を車の窓越しに眺める風だった。
一件目、到着。
入り口の警備員さん達とはいつもおしゃべりする仲だ。暑い時は暑いですね、寒い時は寒いですね、そんな何気ない会話もなんか嬉しい。
エレベーターで地下二階へ。
風
「おはようございます」
すれ違う人への挨拶は大事だ。
さくっと納品を無事済ませ、帰りのエレベーターに乗り扉が半分ほど閉まったところへ誰かが乗り込んできた。
輝
「おはよっ!」
風
「お、お、おはようございます!?」
輝
「何びっくりしてるのー」
風
「え!?いや!そんなこと無いです!」
輝
「朝ごはん食べようよ!」
風
「あ!?え!は、はい!」
飛び出るんじゃないかというほど、心臓がバクバクしていた。