検査の結果① | ++テルコ日記++

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LEGH(良性)?悪性腺種?
症例が少なく、良性悪性の判断が難しい腫瘍が子宮頚部に見つかり
『子宮温存』か『子宮全摘出』の選択を迫られているテルコの記録日記です。
(※不妊治療の記録も始めました)
これまでの出来事とこれからの経過を気ままに綴っていきます。

■7月14日(月)  大学病院(検査結果)



「卵巣がんかも?」と疑われた25日の夜、母へ報告。
そして今日から母も付き添いで、病院に一緒に行くことになった。


母はいつものように明るく振舞っているが、
ものすごく心配してくれているのがわかった。
こんなことになってごめんよ・・・。



でもまぁ悪いものは取っちゃえばいいんだし、
卵巣1個取ってももう1個があるから大丈夫!
子ども産めなくなるわけじゃないんだからさーあはは!


などと、母とおしゃべりしながら1時間ほど待った。


名前を呼ばれ、診察室へ入ると
先日撮ったCTとMRIの画像を見ながらK先生が唸っていた。


先「あ、今日はお母様もご一緒ですか。
  じゃあちょっとお話しますね。

  あの、うーん・・・
  こないだは卵巣腫瘍っていうお話をしましたよね?
  それで私、早めに手術して取っちゃおうと思ってたんです。
  でも・・・んー、このCTとMRIの画像を見てるとねぇ、
  この腫瘍はどうやら、卵巣じゃなくて
  子宮にできてるんですよね。」


て「・・・えっ?!」


K先生は、わかりやすく説明するために
子宮と卵巣、腫瘍の位置を絵に書いて説明してくれた。


先「腫瘍の位置がね、子宮頚部の右奥のほうにあって。
  ここですね。微妙な位置にあるんです。
  あ、ちなみに卵巣は2つとも正常でしたよ。それで・・・」


K先生は、CT検査報告書血液検査結果報告書などの
書類を数枚、私たちに見せた。


CT検査報告書には


<腹部>
両卵巣には明らかな異常は認めません。
子宮頚部は腫大し、嚢胞成分と不均一に造影される充実部分を認めます。
サイズは45×50×45㎜ほどあります。
充実部分を含む子宮頚部の嚢胞性病変であり、
LEGH(分葉状頚管腺過形成)最小偏倚腺癌などが鑑別に挙がりますが、質的診断のために造影MRIが云々・・・
       ・
       ・
       ・

などと書かれていた。

なんか難しいな。

そしてK先生は、書類に線を引きながら説明を始めた。


先「このLEGHっていうもの。これは、いわゆる良性のものです。
  そしてこの最小偏倚腺癌が、悪いもの。悪性です。
  テルコさんは、今はまだどっちなのかはわからないんだけど・・・


  ただ、この病気はちょっと特殊なんですよ。
  この最小偏倚腺癌っていうのは、実はものすごく稀な病気でね、
  ここの大学病院でも1~2年に1人いるかいないかっていうくらいなの。
  だから全国的にみても症例がとても少ないんですよ。
  あと、厄介な事に、子宮を取ってみないと「良性」「悪性」の判断ができないんです。
  子宮を丸ごと取って検査にまわして、そこで初めて良性か悪性かわかるの。


  で、子宮を取ってみて「悪性」だったらそれでいいけど
  「良性」だったとしても、もう子宮は元には戻せないよね?
  だから、テルコさんがもしお母さんくらいの年齢だったら
  子宮取っちゃいましょう!で済む話なんだけど、
  まだ若いし、未婚だからそういうわけにもいかない。
  だからちょっと・・・非常に複雑なんですよねえ・・・」



先生が何を言っているのかよくわからなかった。


子宮を摘出?
子ども産めなくなるってこと?
症例の少ない珍しい病気?私が?
ってか、がんなの?

もしかして子宮取らなかったら、死ぬの??



私には今、結婚を考えている彼がいる。
私の年齢的に出産のタイムリミットが近づいていたので正直少し焦っていたが、彼との子どもを産んで、幸せな家庭を築き、楽しい日々を過ごしている未来を想像しながら結婚に向けてがんばっていた。


でも、その前にこんなことになってしまった。
私が子どもを産めなくなったら・・・
彼にも、母にも、彼のご両親にも、申し訳ないという言葉じゃすまない。
これで彼との結婚もダメになってしまうかもしれない。


「子ども欲しい」と言っていた彼の顔を思い出して、ちょっと泣いた



先「がんってね、普通は血液検査して、腫瘍マーカーの数値で
  どこにがんがあるのかわかるものなんだけど、
  この病気は、血液検査じゃでてこないんですよ。
  だからこないだの血液検査の結果は、異常なしって出たの。
  あと、普通の子宮頸がん検診があるでしょ。
  あれでも見つかりにくいんですよ。
  この病気が見つかる時っていうのは、MRIとか精密検査をやったり
  ほかの病気を見るついでで見つかる事が多いんです。
  そういう珍しい病気だから、今もまだ研究の段階なんですよね・・・。
  
  でも、子宮を取りたくないなら円錐切除っていう方法があってね、
  子宮の入り口部分だけを円錐状にカットして、それを検査して
  悪いものがでなければ経過観察っていう方法もある。

  それなら出産もできなくはないです。


  だから・・・うーん、病気の事だけを考えるなら子宮を取ってしまったほうがいいんだけど、
  これから出産したいということなら、温存する方向で考えてみるのも・・・」



先生はとても丁寧に話してくれたけど、途中から頭に入ってこなくなった。

頭の中がぐちゃぐちゃだった。
ボー然としていたら、急に気分が悪くなり、
泣きながらぐったりと目の前の机に伏せた。


て「すみません・・・気分悪い・・・吐きそう・・・」


先「えっ?!大丈夫?!無理しないでいいよ!
  ちょっと隣の部屋で休みましょうか!
  隣にベッドあるからちょっと横になろうね!
  今車椅子持ってくるからね!」


いろんな人を慌てさせてしまった。すみません・・・。


すぐにナースさんが車いすを持って来てくれたので
隣の部屋に移動し、ベッドでしばらく横になった。  
吐き気はすぐに落ち着いたけれど、頭の中はまだごちゃごちゃだった。


天井を見ながらボーっとしていると、母が部屋に入ってきて隣に座った。


「もう子どもの事なんて考えなくていいよ。
 それよりもあんたの命が大事なんだから。」


母もショックだっただろうな。
そんな中でも私を励ましてくれて、有難かった。
と同時に、もう結婚できないかもしれない、

また苦労をかけてしまうかもしれない、
もう孫の顔を見せてあげられないかもしれない、と思うと
本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになった。



~検査の結果②へつづく~