《こどもの日》は私の誕生日だ口笛

40年前のこの日が忘れられない。

前日から近所の友だちの家に入り浸り、すっかり誕生日を忘れていた午後…

母が『ヨモギ餅』を持って、私のいるその友人宅にやって来た。「誕生日だから…」
昨夜からもち米とあずきをふやかし、ヨモギを茹でて潰し、何と手のかかる…
今ならわかる…

無愛想な態度で対応し、母は帰って行った。

夕方、着替えに自宅に戻ると食卓テーブルがご馳走で溢れていた。
私の大好きな五目寿司に、セリの和え物、春雨のサラダ…どんなに手がかかったことか…
今ならわかる…

ひとつも手をつけず、家を出た。
「少し食べて行けば…」
母の声に首だけ振って、家を出た。

一様に思春期の思い出は、切ない事ばかりだ。

あの日に行って、今はもう味わう事が出来ないあのご馳走を、最高の笑顔で全部食べ尽くしたい…

今なら…