前の記事の「ガン発覚までの経緯②」の続きを書きたいと思います。

生きた心地がしなかった「空白の一週間」
6月16日に担当医から「ガン(であろう)」と言われましたが、実際にはその後の精密検査で確定となります。一週間後の6月23日に造影CTを撮り、前回採取した細胞の病理検査の結果と併せて最終的な診断が出ることになりました。

実は、この検査までの一週間は精神的に結構きつかったです。
「ガンはほぼ確定しているのに、進行具合が分からない」という状態。やはり予後について様々なネガティブな想像をしてしまい、不安を止めることができませんでした。

確定診断と、想定外の「原因」
そして、肝心の診断結果はやはり「中咽頭がん」とのこと。
タイプとしてはHPV(ヒトパピローマウイルス)が原因となっているものでした。中咽頭がんの主な原因には、このHPV由来のもののほか、喫煙や過度の飲酒によるものがあるそうです。

HPVといえば、一頃から子宮頸がんの原因として知られ、若い女性にはワクチン接種が啓発されてきました。私はそれを見てきて「女性はそういうことに気を付けなければならないので大変だな」といった程度の認識でしたが、まさかこれが自分の身に降りかかるとは想像だにしていませんでした。

調べてみると、HPVは多くの人が一度は感染し、その後は自身の免疫により消えていくそうです。しかし、稀に消えずに感染が継続してしまうと、ガン発生のもとになるようです。
なかなか普通の人は、特に男性は、HPVの感染について普段から気にしている人はあまりいないのではないでしょうか。

何れにせよ、ガンになってしまったのはもう仕方がないことなので、これから治療に専念するしかありません。
ただ、このタイプのガンは「シスプラチン」という抗ガン剤がよく効くとのこと。不幸中の幸いというか、この言葉に少し希望が持てました。
あとは、PET検査で全身の進行具合等の確認が必要です。

意外と快適だった「PET検査」
造影CTを撮った翌日の6月24日に、更にPET検査を受けました。

PET検査とは?
FDGという放射性のあるブドウ糖薬液を点滴で入れます。全身に成分が行き渡ると、ガン細胞がその成分を活発に取り込む性質を利用し、取り込まれた放射性物質を目印としてCT撮影をして、ガン細胞の在りかを詳細に確定する検査です。

PET検査がどのようなものか、私が受けた検査センターの様子を簡単にお伝えします。

まず、ホテルのような落ち着いたロビーで受付を済ませると、検査着に着替えて検査場に向かいます。検査場のエリアに待機場所があるのですが、そのエリア自体が厳格な放射線管理区域内となっています。
その一角で放射線薬剤の点滴を受け、その後、全身に薬剤を行き渡らせるため約1時間待機します。その際水も飲んで、全身に薬を回す手助けにするようです。この施設の場合は、ペットボトルの水を1本頂けました(500ml)。

待機するのは半個室(畳二畳分くらいかな)になっているスペースで、電動リクライニングのソファがありました。背を倒したり足を延ばしたり自由に設定できて、なかなか快適でした。
目の前はガラス張りで、地下のため屋外の景色は見えないのですが、ちょっとした水辺を演出するインテリア(中庭的なもの)があり、見るだけでも非常に癒されました。ここに来る患者さんの不安を和らげるため、色々な工夫がなされていることがわかります。

1時間経ち、いよいよ検査に臨みます。
一体どんなことになるのか多少不安でしたが、杞憂に終わりました。
検査場内はやや涼しくて「ちょっと寒いかも」と思いましたが、検査台に寝てからタオルケットをかけてくれたので、ちょうど心地よい感じになりました。

両手万歳の恰好で固定となり、CTの検査と同じような機器の中に入るのですが、圧迫感や閉塞感を感じることはありませんでした。また、検査台が随時動くのですが、それが揺りかごのように心地よく、眠りそうになってしまったほどです。
検査後には同じくエリア内のソファで数分待ち、検査がうまくできたことが確認できれば終了となります。実際に検査機器に横たわっていたのは、20分間程度だったと思います。

この検査は終始快適でしたが、肩関節が悪い方は万歳の体勢が少ししんどいかも知れませんね。

PET検査はトータル2時間ちょっとで終わりました。再検査が必要な方もあるため、事前の案内では「3時間程度かかる」と言われていました。
クレジットカードで支払いをして、すぐに帰宅しました。思っていたより簡単で快適な検査でした(※あくまで個人の感想です)。

最終結果は「ステージ2」
2日後の6月26日、総合病院の耳鼻咽喉科を受診し、PET検査を含めたすべての結果を聞きました。
最終的な診断結果は「中咽頭がん ステージ2」とのことでした。

これを聞いた私の率直な感想ですが、病名についてはすでに受け入れていたので「想定どおり」でした。
ステージについて、結果が出る前に私が考えていたのは以下のようなことです。

「最近結構、右頸部から右顔面、右肩辺りまで間欠的な痛みやだるさを感じていたため、症状からして初期のステージ0や1は無いな。最悪ステージ4も有り得るな。うまくいけばステージ3かな」

希望は持ちたいものですが、あまりに楽観的過ぎても結果とのギャップが大きければ精神的ダメージを受けそうです。逆に悲観的すぎても良くありません。この辺りの「気持ちの持っていき加減」は非常に難しいですが、私の場合ではありますが、自己防衛として大事なプロセスだった気がします。

ちなみにガンのステージですが、「ステージ4だから末期で助からない」というわけでもないようです。
時代の進行とともに治療も進化しており、ステージ4のガン患者が治癒したケースや、治癒しないまでも治療を継続し、いわゆる「ガンと共生」して長く生きておられる方もあるとの情報がありました。逆にステージ1でも、稀に悪化して亡くなってしまうケースもあるようです。(私の情報はほとんどがネットや書籍からです…)

それに、ガンの種類によってもステージの解釈は変わってきます。「○○ガンならステージ4でも意外と5年生存率が高いが、△△ガンは生存率は低い」などです。もちろん、同じガンの同じステージでも、患者の健康度や年齢、体力によっても変わりますし、治療外で自身でできる対策をとれる人が予後も良いようです。

話が飛びましたが、私自身はステージ3かステージ4を想定して覚悟を決めていたため、「ステージ2」という結果を聞いた時には少し喜んでしまいました。
嫌な病気になっている最中に喜ぶなんて、人の心理というのは本当に複雑ですね。

未知の恐怖を乗り越えて
確定診断が出揃ったので、あとは治療を受けるのみです。

初受診からここまでの2週間、私にとっては人生で一番のピンチで、一番悩んだ期間でした。その中で、状況が少しずつ明確になっていくことで、同時に少しずつ悩みが軽減されてきました

やはり、「分からない、知らない」というのが人間にとって一番の恐怖を導くように思います。
真実を知るのは怖いけれど、勇気を持って知ると、それに対する解決策や対処法が見つかるかもしれません。この期間の激動の心理状態については、機会があればまた書きたいと思います。

とにかくこれからは全力で戦うことを優先して、必ず良くなってみせるつもりです。