図書館で借りた本です。
何年か前にも一度読んでいるのですが、今回、もう一度目に留まったので
久しぶりに手に取ってみました。
少年院での慰問活動を通じて感じたことが綴られています。
少年院に入るに至った子どもたちが、周囲の大人たちにどういう思いを抱いているのか。
子ども達の声を代弁してくれています。
口語で書かれており、とても読みやすいので、ぜひご一読を。
この中の一節に、
「内縁の夫による子どもへの虐待」があります。
著者の知人から聞いた話として、挙げられています。
離婚した20代のB子さんには2歳の男の子がいます。働きながら一人で子育てする厳しい生活でしたが、1年後彼氏ができて、三人でアパート暮らしをすることになりました。男はフリーターで、職があったりなかったりの状態で、正式に結婚する予定はなかったよう。
男がある工場の仕事をしていた頃のこと、職場で親しくなったC夫さんという人をアパートに招待して、お酒を飲みました。
その席で、男は、B子さんの子供を膝に乗せたり、ほっぺにキスをさせたり上機嫌で飲んでいました。しかし、C夫さんにはそれが異様な光景に見えたそうです。男の子が真っ青な顔をして見た目にわかるほど震えていたからです。
膝に乗っている時もひと言もいわず、片方のほっぺたをぴくぴく痙攣させていました。明らかに男に恐怖を示していたんです。
C夫さんは、この子は虐待されているのではないかと感じました。しかし、そのことを口に出して確かめることはできません。まだそれほど親しい友人関係ではなかった。
その数日後、C夫さんは町のマーケットでばったりB子さんと男の子と会いました。見ると男の子の顔にアザができています。C夫さんが問い詰めると、B子さんは涙ながらに男が暴力をふるっていることを打ち明けました。ほとんど毎日のように子供をぶつので、心配だということです。
B子さんが止めると、今度はB子さんを殴りつけるという凶暴さです。「そんな状態なら別れたほうがいいですよ」とC夫さんがすすめましたが、B子さんはまだその男が好きだといったそうな。経済的にも逼迫していたので、男の収入が頼りだともいったそうです。
C夫さんにはどうすることもできません。「B子さんから聞いたけど、暴力はやめろ」と男に言えないからです。そんなことをしたら、B子さんが殴られるのは確実です。
その後、男はまた職場を変えて、B子さんともども引っ越していきました。C夫さんは、男の子がどうしているか心配です。あの時アパートで見た男の子の顔が忘れられないのです。私に話してくれたのが、C夫さんでした。
自分を守ってくれるはずの母親が、守ってくれない。
ただただ2歳の男の子が、気の毒でなりません。
C夫さん、「暴力はやめろ」と言われて、はいそうですかとやめる男でしょうか?
仲が親密になるほど、言いづらくなることもありますよね。
何も言わずに、2人の身柄を保護し警察に連れて行くだけでよかったのに。
もしもB子さんが抵抗するなら、「あなた一人の力では、子どもを守れていない」と
せめて子どもだけでも連れて行くしかありませんね。
大切なのは、子どもの命です。
私はソーシャルワーカーではないのであまり知識がないのだけど、
警察を介入させたほうが話は早いのでは?と思います。
警察→2歳の子がいるから母子保護施設に入るのかな。
生活保護が受けられるのかどうかは、判らないけれど。
「その男が好き」というのも、共依存になっているのかな…などと
これまでの事件報道から考えてみたり。
『誰か』が助けてはくれません。
気付いた『私』が、助けるしかない。
皆さんだったら、どうしますか?
他にも著作がありましたので、あわせてご紹介を。
お読みいただき、ありがとうございました。