生みの親と一緒に暮らせない子供たちに「里親」という選択肢を――。

 

貧困や虐待などさまざまな事情から親元で育てられない子供たちが集団生活を送る乳児院・児童養護施設「エスぺランス四日市」(三重県四日市市泊町)は子供を家庭に受け入れてもらって育てる里親制度の普及活動に取り組んでいる。

 

施設長の本弘東午さん(54)は「子供たちを救う方策の一つとして里親制度があることを知ってほしい」と訴える。【朝比奈由佳】 

 

幼いころから児童養護施設が身近な存在だった。

自宅の敷地内に、祖父の祥瑞さんが設立した児童養護施設「真盛(しんせい)学園」(同市安濃町今徳)があり、

施設の子供たちと寝食を共にしていたからだ。学校も一緒に通った。

戦後に戦災孤児を育ててきた祖父母や、同施設の施設長だった父の影響もあり、

自然と子供に関わる仕事に就きたいと思うようになった。  

 

大学卒業後、東京での旅行会社勤務を経て津に戻り、

1990年に真盛学園の指導員となった。2000年から18年には施設長を務めた。

長年、児童養護施設を運営する中で限界も感じていた。

「児童養護施設では、もちろん子供たちに寄り添い、より家庭に近い環境での支援を目指しています」。

そう前置きした上で「それでも施設では親が食事を作る音や匂い、家庭の温かさを子供たちが感じることはできない」と語る。

 

児童養護施設では職員は交代勤務で担当する。

一方で里親に預けられた子供は、特定の大人との一対一の関係の中で、

より安心感や自己肯定感を育むことができると考えている。

 

エスぺランス四日市の前施設長と交流があったことなどから、19年に同施設の施設長となり、

北勢地域を中心に里親制度説明会や啓発イベントを開くなど、里親制度の周知に力を注いでいる。

里親の普及は国の方針でもある。

厚生労働省は16年の児童福祉法改正で「家庭養育優先の原則」を打ち出し、

子供をより家庭に近い環境で養育する方針を示した。

しかし里親制度の普及には、さまざまな壁が存在する。

例えば「子供が里親に取られる」などのイメージから、里親への同意を拒否する実親は多い。  

 

エスぺランス四日市が取り組む活動「ええやん里親」は、

こうした現状を変えようと、子供を受け入れようとする側の相談、研修、家庭訪問と

時間をかけて里親になるサポートを丁寧に行っている。

「日本に里親が根付かないのは、情報不足が原因の一つ。これからは旗振り役として、子供たちが安心して過ごすことができる環境を整えていきたい」

 

◇メモ  本弘東午(もとひろ・とうご)さん 1966年1月生まれ。津市出身。3人の子供を持つ父。趣味はマラソンで、毎晩10キロ走っている。施設名の「エスぺランス」はフランス語で「希望」を意味する。

 

 

 

 

 

 

 

 

以前にも記事に書きましたが、

児童養護施設の職員の中には、

里親に対して否定的な感情を持っている人もいます。

 

それは、その方が関わった過去の里親さん像による不信感があったり。

施設→里親→施設(里親宅でうまくいかず、戻されてしまったらしい)だとか。

「信じたいけど・・・本当に信じていい?と思ってしまう」と言われたこともあります。

 

 

 

外部の社会的養護シンポジウムに参加したことがありました。

 

このとき私は里親Dさんの事例を上げました。

里親Dさんは涙なみだの幼児さんの措置変更です。

とある児童養護施設の職員さんが登壇されていましたが、

なぜか施設→里親→施設と里親不調になってしまった話にすりかえられました。

 

「傷ついたこども達のケアに、どれだけ職員が苦心しているのか、あなたにわかりますか!」と

ヒートアップされていました。

正直なところ、

「過去の里親さん」に対する不信感を私にぶつけられても困ってしまいます。

 

なぜ、そういう事態になってしまったのか<里親不信>について

顔見知りの施設職員さんに尋ねたことがありますが、だいたいスルーされます。

 

また、別の場面で、里親Dさんと同様のことを話されている方も。

このときのファシリテーターは里親支援専門員の方で

施設職員歴は20年以上。

厚生労働省の広報パンフレットにも掲載されているようなキャリアの方です。

 

涙なみだの里親さんの告白に

「そうなんですか~里親さんがそんな風に思っているなんて、知りませんでした~」と

棒読みで答えている様子を見て、徒労感しかありませんでした。

それだけのキャリアがありながら、本当に知らないの?

しらんぷりを決め込んだ方が、ラクですよね。

 


実際、いろいろな施設とかかわっていて

基本は「こども達のため」なのですが、

施設間の温度差を感じる場面も多々あります。

 

もしかしたら、施設の方針と職員個人の価値観が異なり、

葛藤している方もおられるかも・・・。

残念ながら、まったく外部で知り合うでもない限り、

職員の方個人の考えを知る機会はありません。

(大きな声では言わないけれど、施設には経営的側面があることも理解しています。)

 

 

 

いろいろ書きましたが、

「施設側の人間が里親制度普及に尽力する」というニュースを見て、

こういう人もいるんだ!と眼からウロコでした。

 

コロナの影響もありますし、それだけで測れるものではないですが、

皆さんのかかわっている施設は、「家庭体験事業」には積極的ですか?

そういう視点で見てみると、施設側の意向が垣間見れる気がします。

 

 

 

お読みいただき、ありがとうございました。

 

 

 

いろいろ文句は言いますが、里親制度は必要だと思っています。

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