邪魔しないで!(類義語シリーズ)

はい、大変失礼な言い方ですよね。
先日、ワシの友達(アメリカ人と日本人)の会話でふと気づきました。
Would you lend me your bicycle sometime?
Sure, any time.
How about this Sunday?
Sunday... okay, shall I bring it to your place?
Oh, don't bother. I'll come to pick it up.
Oh, I'm sorry.
Don't be sorry. I'm the one who rents it.
日本人の彼はなぜ謝ったのか、が問題です。
「邪魔する」という言葉は日本でよく聞く言葉のひとつです。
「ママの邪魔しないで、いい子にしててね」
「お邪魔します」「お邪魔しました」
「前の人のアタマが邪魔」
英語にもこれに相当する言葉がたくさんありますが、
なかなか使い分けが面倒です。
アメリカ人の彼が意味したのは、
「わざわざ(そんなことしなくて)いいよ」ということ。
「借りるのはボクなんだから」ですよね。
「邪魔しに来ないで」ってゆー意味ではありません。
bother はよく「邪魔する」と訳されがちですが、
本来の意味は煩わす、面倒をかける、という他動詞。
ハエが周りをブンブン飛んでたらわずらわしい。
It's bothering. ですよね。
Don't bother. と言われたら、それは
Don't bother yourself with that.
「そんなことであなた自身に面倒をかけないでください」ってこと。
決して「ボクの邪魔しないで」という意味ではありません。
その場合は目的語をはっきりさせて
Don't bother me.
with を使うことで「~について、~で」となります。
for を使うと「~をねだる、~してくれとうるさい」となります。
Why are you bothering your mom?
(なんでお母さんにつきまっとってんだ?)
Oh, he's bothering me for money.
(おこづかいをねだってるだけよ)
この bother 、いろいろ活用できます。
Can I bother you now?
(ちょっといいかい?)
bother to 動詞 で「わざわざ~する」
Don't bother to say hello.
(挨拶なんかする必要ないよ)
Don' t bother to worry about him.
(彼のことなんかで頭を悩ますな)
There was no one to bother to tell him the truth.
(彼にわざわざ真実を教える者は誰もいなかった)
こう考えてみると、「困らせる、悩ます」の annoy と
意味も使い方もよく似ていますね。こちらはも少し迷惑な言葉。
ぜひ応用してみてください。


本来の「邪魔する」英語には
disturb(ディスターブ)
interfere(インタフェア)
interrupt(インタラプト)
この3つが動詞として bother の他に使われます。
disturb は平和、安眠を妨げること。
interfere は何事によらず「妨害する」こと。
interrupt は何か継続してること、ものを「中断させる」こと。
ひとつめはホテルなどでドアにかける札に書かれてますから、
日本ではこれが有名かもしれません。
これらはみな英語でいうビッグワード。
ちょっと大げさ、かしこまりに聞こえる場合があります。
だからこんな風にいう人もいます。
邪魔よ、どいて!
You are on my way. Get out !
on は進行方向の途中にいるということ。
in を使うと、視界の中ということになります。
四六時中、子犬がつきまとって邪魔。
The puppy is always underfoot.
邪魔もの
=余計者、厄介者 nuisance
=障害物 obstacle
=妨害物 hindrance
こうしてみると、「邪魔」にはいろんな意味がこめられてたんですね。
皆さんも「ご面倒」ですが、
ちょっと今の考えを「中断」して、
英語勉強の「障害」になってたことを発見し、
その「厄介な」ことを取り除いてください。
そうすれば心の平和を「妨害」することがひとつ減りますよ。
