感謝祭の頃 (後編) Happy Thanksgiving ! | 英語は度胸とニューヨーク流!

感謝祭の頃 (後編) Happy Thanksgiving !

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前回は前置きが長くなり、2回に分けることにしましたが、
いつもサンクスギビングの頃はワイワイした風景を思い出します。
なぜって、クリスマスよりバレンタインより、どんな日よりも、
ひとりで過ごしてはいけない気がする週末だからです。

昔は、日本の正月のように、
家族揃ってお祝いをするのはクリスマスでした。
しかし近年の核家族化と海外旅行の普及で、
長く休めるクリスマスには家族それぞれが個人的な旅行。
その代わりサンクスギビングだけは絶対家族と過ごす。
いない人は友人達とディナーを囲むのが通例です。

家で作る量はハンパないため、最近は外やケータリングにする家庭も多いでしょう。
どこのホテルやレストランでも、感謝祭難民用に、素敵なディナーを企画しています。
日本でも東京のホテルではこのフェアを開催してますね。
とても上品で手間なしなんですが、やっぱ遠慮や気兼ねすることなく、
汁の着いた指なめながら食べたいもんです。

おせち料理のように、それは毎年決まったメニュ。
ターキーにスタッフィングとグレイビーソース。
パンプキンパイに色とりどりの温野菜、マッシュポテトのボウル。
友人宅ではコーンブレッドやアップルコブラーを焼き、
日本では珍しいオレンジ色のヤムポテト(サツマイモの一種?)も添えます。

ターキーには肉汁をベースにしたグレイビーソースと、
クランベリーソースがあり、クランベリーはさすがに瓶詰めやジュースを使います。
淡白なターキーにはどちらも合いますが、
ワシらはやはり醤油ベースの和風グレイビーも用意します。

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メイプルシロップなどを塗られてパリッと仕上がった皮と、
モイスト&ジュウシィに火の通ったターキーほど美味いものはありません。
日本に帰って来てからは、クリスの家がサンクスギビングの我が家。
オウジーですが、アメリカ人の友人が多いので、
キチンが広々、何でも揃う彼の家で何十人か集まる立食パーティ。
日本ではこの第4木曜日は休日でもなんでもないので、
たいがい日をずらしたその週の土曜か日曜に行います。

その日は朝からテンテコマイ。
買い物に行かされたり、芋の皮向きから野菜の刻み、マメのスジ取りまで、
腱鞘炎の腕が泣きます。
2段のオーブンはフル稼働。菓子類を焼いてからいよいよターキーです。
紀伊国屋から凍ったターキーが届けられ、半解凍済みなので、
パンや野菜やハーブを詰めればいい状態になっているので楽です。
実はこのスタッフィング、大量にサーブするため、中に入れずに作る量の方が多い。
でもいちおう形だけ。オシリからゴメン…
自慢のオリジナルスタッフィングを詰め込みます。

もう料理時の後片付けは考えたくありませんが、
それでもパーフェクトアシスタントと言われるように、
料理への口出しはご法度。
クリス率いるアメリカナディアン達(女性がいない!)に任せて、
片付けられるのや洗えるもの、しまえるものをどんどん捌いていきます。
何よりも、みんなでワイワイ酒飲みながら進行してゆくこの過程が好きです。
内輪では、この手伝いに来なかったらもう友人ではなくなるほど。
というのはオーバーですが、どんなヤツでも使い道があるほど、
忙しい1日となります。

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パーティの客達もそろそろボージョレヌーボを手に到着。
ターキーの出番を待ちわびます。
最初にナイフを入れるのはもちろん本日のメインシェフ。
普通なら家長であるお父さんが、
お祈りを捧げてからいただくんですが、
ここではケヴィンがよく知ってるのでスラスラサラ~っと唱えて、入刀。
湯気と歓声が上がればしめたもの。
相も変らぬ「どのソースが1番合うか」という論争はさておき、
売れ行きで見れば日本人ゲストのせいか和風が1番。
ゴメンネ。
ワシはやっぱグレイビーソースをターキーにもポテトにも
ドボドボかけていただくのが1番好きだけどね。

皆さんムネ辺りのホワイトミートばかり欲しがるけど、
ダークミートが残っても全然ヘイチャラ。
だって翌日ほぐして骨ごとスープにするとこれがまたうまいんだから。
そしてそのスープも残ったら、カレーの下地にします。
もちろんターキーの薄切りをサンドイッチにするのも楽しみ。
30人分として3羽焼けば、だいたい翌日分にもありつけます。

戦い済んで日が暮れて、
紙皿やプラスティックのカップのゴミを始末して、
自慢のじゅうたんにシミや食べこぼしがないかチェックして、
できるかぎり次の日にメイドさんが来て驚かないようにしておきます。

反省会代わりにシメの酒を飲み終わったら、
お土産ターキーの入った袋を持って、トコトコ帰るのが楽しみな夜なんですね。

今年は24日木曜がいよいよほんとのサンクスギビングデイ。
今年もクリスは凍った七面鳥の箱を受け取ってることでしょう。
準備の慌しさを思うと少しだけ怠け心が出てきますが、
普段会えない人たちが、ターキー目当てにやってくる、
家族代わりの大パーティ。
影の仕切り屋としてダディになって参りやす!

アメリカ大陸には渡らなかったけど、食への感謝はどこでもできる。
みなさんも、ほんのちょっと、心の中で唱えてみませんか?
Happy Thanksgiving !!!

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