Part 35. 強調構文

I had lunch with Michael and Martin at the Thai restaurant in Aoyama yesterday.
ちょっと長い文章ですが、文型はいたってシンプル。
SVO=主語、動詞、目的語
あとは条件を順に述べただけですよね。
この文はたんに事実を1文で示しただけ。
マイケルとマーティンって人と、昨日、青山にあるタイレストランでランチしたんだな、
と思うだけです。
でもこの中のひとつが特別なものだったとしたらどうでしょうか?
たとえば刑事モノでよくあるアリバイを言うとき。
事件が起こった昨日のその時間に何をしていたかを聞かれたら、
「昨日」を強調するかもしれません。
そこで出てくるのが強調構文。
通常、It's で始まり、強調したいことを先に言います。
It was yesterday that I had lunch with Michael and Martin
at the Thai restaurant in Aoyama.
「レストラン」だったとしたら…
It was at the Thai Restaurant in Aoyama that I had lunch
with Michael and Martin yesterday.
「地域」がカギだとしたら…
It was in Aoyama that I had lunch with Michael and Martin
at the Thai restaurant yesterday.
= It was in Aoyama where the Thai restaurant
I had lunch with Michael and Martin yesterday was.
「誰といっしょだったか」が問題なら…
They were Michael and Martin who I had lunch with
at the Thai restaurant in Aoyama yesterday.
=They were Michael and Martin with whom I had lunch
at the Thai restaurant in Aoyama yesterday.
ちょっとくどかったですが、こんな風に強調することができるという例です。
もしあなたが何かの賞をもらって、受賞会場でインタビューされたら?
Who do you want to share this news first?
(まず、どなたにこのニュースを伝えたいですか?)
I would like to share this happiness with my family !
(この幸せを家族と分かち合いたいです!)
⇒ It's my family with whom I would like to share this happiness!
(私がこの幸せを分かち合いたいのは、家族です!)
こんな風に、ひとつの要素にジャジャ~ン♪とスポットを当てる効果があります。
同じことを言うんでも、演出ができるんですね。
またクイズなどで先に答えを言う場合にも効果的。
日本語では前置きをしてからジャ~ン、ですが、
英語では真っ先に言うことで相手の注意をそらさないのが大事です。
これがもうひとつの It's ~ To 構文の基本でもあります。
長くなりそうな主語を後回しにして、言いたいことを先に言う。
Cooking dinner and watching children at the same time is very difficult.
(夕食の用意と子どものお守りを同時にするのはとても難しい)
日本語的に前置きを長く、要点が後。
英語では頭でっかちは嫌われます。
It's ~ to 構文でそれを解消することが多くなります。
⇒ It's very difficult to cook dinner and watch children at the same time.
ing を使った動名詞を to 不定詞でくくっただけですが、とてもシンプルな印象です。
What I saw at the National Museum yesterday was really beautiful.
(昨日国立美術館で観たものはとてもキレイでした)
was という述語になる動詞がでてくるまでとても長い。
これを It’s ~ that の構文にしてみましょう。
⇒ It was really beautiful that I saw at the National Museum yesterday.
この話の要点は「美しかった」ということだとわかりますね。
もうひとつ、理由を先に言いたい場合を紹介しましょう。
Mother: Why did you hit your little brother so hard?
(何で弟をそんなに強く叩いたの?)
Son: It's because he had hit me first that I hit him back !
(だってお兄ちゃんが先にぶったからボクもぶち返したんだよ)
…とても理論的な子どもです。
ただしこの It で置き換えられる that 以下は「~したこと」「~したもの」という主語に限られます。
すでに主語になる単語が決まってる場合には It は使えません。
The party he had been planning so long didn't go well.
⇒ The party didn't go well which he had been planning so long.
(彼がずーっと計画してきたパーティはうまくいかなかった)
このようにIt's ~ that の代わりに関係代名詞を使って頭でっかちを押さえます。
英語でも大事なことをパッという人と前置きの長い人はいます。
これも自分の個性を出すひとつの手段として覚えておくと便利かもしれません。
この文の強調はまだまだあるのでそのうちPart 2としてご紹介します。
強調構文と聞いて、いつも思い出すTVコマーシャルがあります。
化粧品CMで女性の社長が出てきて「私が証明です」みたいなこと言うヤツ。
観たことありますか?
イントネーションも素晴らしくて、なんか英語的だな~っと感心した記憶があります。