英語で読むタオのプーさん 最終章 | 英語は度胸とニューヨーク流!

英語で読むタオのプーさん 最終章

$英語は度胸とニューヨーク流!

Now of Pooh
by Benjamin Hoff, A.A. Milne (訳と説明:テリ)

They walked on, thinking of This and That,
and by-and-by they came to an enchanted place
on the very top of the Forest called Galleon Lap,
which is sixty-something trees in a circle;
and Christopher Robin knew that it was enchanted
because nobody had ever been able to count
whether it was sixty-three or sixty-four,
not even when he tied a piece of string
round each tree after he had counted it.
Being enchanted,
its floor was not like the floor of the forest,
gorse and bracken and heather,
but close-set grass,
quiet and smooth and green...
Sitting there they could see the whole world spread out
until it reached the sky, and whatever there was
all the world over was with them in Galleon Lap.



彼らはこんなことやあんなことを考えながら歩き続けた。
そして少しずつその魔法の森に近づいた。
森のてっぺんにあるガリオンラップ(窪地)と呼ばれる場所だ。
60何本かの木に囲まれている。
クリストファーロビンはそれが魔法の森だと知っていた。
だって誰もそれが63本か64本か数えられなかったから。
たとえ1本ずつ紐をくくりつけて数えてみてもわからなかった。
魔法がかかっているので、
他の森の地面のようなハリエニシダやワラビ、ヒースが生えるかわりに
びっしり緑が植わっていた。
ひっそりと滑らかで青々としている。
そこに座ると目の前には世界のすべてが広がっていて
空に溶け込んでいる。そこに何があるとしても
世界はすべて彼らとともにこのガリオンラップにあった。




…こうしてプーの本は終わりに来た。魔法のかかった森の上で。
もし私達が行きたければいつでも行ける。
見つけるのは難しくない。無への道を追ってみるだけ。
そこに着くまではどこへも行かない。
だって魔法の場所は今そこにあるから。
あなたがこのクマと仲良くなれば、見つかることだろう。

小さな頃はそれが容易にできた。
この頭のよくないクマを追いかけた。
アタマってそんなに大事?
そのおかげで探してる物が見つかるの?
それともそのせいで間違った方向へ行かされてしまうのか?
風の音にさえぎられて、心の声が聞こえなくなる。

アタマはいろんなことができる。
でもできることがすべて大事ってわけじゃない。
あいまいな賢さは現実的な世界から人を遠ざけたりもする。
あまりに多くの考えとあまりに少ない思いやりで、
今の世界ではまだまだ森が減少しつつある。

知識や賢さが自然を壊し、そう遠くない未来に
たとえ生き残ったものがあったとしても見るに値するものだろうか?
生をよく知る者は、内なる声を聴く。
智恵とシンプルさにあふれたその声は、知識を越えたアドバイスだ。
少数の人がそれを持つわけではない。みんなに与えられたもの。
そうできるのが例外ではなく、みんながお手本にできることなんだ。

誰もがティガーやカンガのルーの時期を経て、
その中にフクロウがいて、ラビットがいる。
イーヨもいればピグレットもいる。
長い間、私達はフクロウやラビットになることを選んだ。
イーヨのように文句を言い、何も成し遂げていないと思えることも。
もしほんとに賢いのなら、プーの道を選べばいい。
遠くからそれは子どもの声のように聞こえてくる。
今は聞き取れないかもしれない。でもそれでも大事なこと。
そうでなければ、この暗い森を抜けていく術は見つからないだろう。


$英語は度胸とニューヨーク流!

"Well, what do you think, Pooh?" I said.
"Think about what?" asked Pooh.
"The Tao of Pooh, of course."
"The how of Pooh?" asked Pooh.
"Do we have to go through that again?" I said.
"Go through what again?" asked Pooh.
"The Tao of Pooh," I said.
"What's the Tao of Pooh?"
"You know uncarved block, the Cottleston Pie Principle,
the Pooh Way, That sort of Bear, and all that."
"Oh," said Pooh.
"How would you describe it?" I asked.
"Well.... this just came to me," he said.
"I'll sing it to you."

To know the Way,
We go the Way,
We do the Way,
The way we do,
The things we do,
It's all there in front of you,
But if you try too hard to see it,
You'll only become confused.

I am me,
And you are you,
As you can see;
But when you do
The things that you can do,
You will find the Way,
And the Way will follow you.


"That's what I think it is," he said.
"Perfect," I said, "But you know, don't you ..."
"Know what?" said Pooh.
"It's the same thing."
"Oh," said Pooh. "So it is."



「じゃあどう思う?」私が訊いた。
「どうって何が?」
「タオのプーさ、もちろん」
「どんなプー?」
「なんだまたやり直しかい?」私が言う。
「やり直すって何を?」プーが訊く。
「タオのプーさ」
「タオのプーって何?」
「ほら、削られてない木だとか、カトルストンパイの教えとか、
プーの道とか、そんなクマとかいろんなこと」
「あ~」
「キミはどんな風に説明する?」
「そうだな…こんなのが浮かんだよ」彼は言った。
「歌ってみせるね」

道を知るには
道を行く
道を実行する。
ボクらが実行する道が、
ボクらのやるべきこと。
みんな目の間にある。
でもあんまりがんばって見ようとすると
なんだかわかんなくなる。

ボクはボクで、
キミはキミ
見てわかるだろ;
でもキミが
キミにできることをすれば
道が見えてくる
そして道がキミについてくる


「これがボクの考えさ」彼は言った。
「カンペキだね」私は言った。「でもそれってさ…」
「それって何さ」プーが言った。
「同じことだよね」
「えっ」プーが言った。「そうだね」


$英語は度胸とニューヨーク流!

あとがき by terrysun

2月から始めた英語で読むタオのプーさん。
7,8月と休んでの賞味半年間の連載でしたがいかがでしたか?
ワシのつたない訳と説明に輪をかけて
ベンジャミン・ホフのタオの説明には、まだまだタオイストらしからぬ
難しさと理屈っぽさという矛盾があったと思いますが、
ミルンのプーさんを介して、その本質は伝わりやすかったと思います。

雑学ブームで、学歴社会。忙しくないとオチこぼれのよう。
まだまだこうしたフクロウやラビットの時代は続くかも知れません。
でも少しずつ増えるプーのような人たち。
その智恵と勇気を支えるピグレットやクリストファーロビン。
そんな理解者も確実に増えていると思います。

頑張りすぎてへたった時や、
行き詰ってへし折れそうな時には
どうぞこの仲間を思い出してください。
またそんな人を見たら、理解と共感してください。
みんなあなたの中に住んでいるし、
いつでもあなたの役に立つように見守っててくれるはずです。

長い間読んでいただき、ありがとうございました。