文句を聞いてくれる? 世界水泳2011

毎日中国での世界水泳選手権が放映されてるね。
普段は気にもかけないものでも、世界を舞台に戦う日本人が出てると、
つい見たくなる。オリンピック前年のヒートアップもあるし。
関東ではテレ朝が独占してて、
ホストはあの松岡修造。
ほんとに苦手だよ。あの昔風のスポ魂中継。
全部録画だから、1レースごとにコメントがあって、
選手のエピソードがあって、前回のレースの再放映がある。
他にも試合はあるのに、それを省いてもしゃべりを入れる。
賞味30分くらいのものを、ゴールデン2時間枠にする。
冬のフィギュアスケートでもテレ朝が独占すると、彼が出てくる。
選手とはみんな面識があって、自分は彼らの苦労がよく分かるという。
その熱意、近所のおばさんみたいな人の良さ。
あんなに好青年ぽい人を嫌う自分がキライだ。
ウインブルドンでも一所懸命に戦った。
日本男子として画期的なベスト8にも残った。
そもそもあのベスト8になった時の態度でキライになったのかもしれない。
勝ち残ったとき、コートの上に大の字になって泣き伏した。
ああ、この人はここが限度なんだ、と。
始めから世界の頂点は目指してなかったんだと。
日本人最高を目指してただけなんだと思った。
それでもほんとに凄いこと。
素直に喜びを表して何が悪い?
今でもその熱血ぶりにファンが多い。
東宝の御曹司という育ちの良さも、タレントとしてプラスだ。
だけどワシには白ける。
スポーツは戦う選手の姿を見てるだけで感動する。
そこに説明やら理由やらをとうとうとまくしたてられると、
なんか陳腐になった印象を持ってしまう。
自分の興奮を見せ付ければ、テレビの観客も興奮すると思ってる?
声にもジェスチャーにも力が有り余ってるね。
一言一言に力が入り過ぎ、表情がオーバー。
でしゃばりな脇役だと思う。
本来スポーツ好きでない人も好きになってもらいたくて、
選手のつらかった時期や不幸な境遇なんかも紹介する。
そういうわかりやすいお涙頂戴が何よりキライ。
勝てなくても一所懸命やったでしょう、という言い訳に聞こえる。
そこに見え隠れする甘えがこすからい。
強い者が勝つのではなく、勝った者が強い。
それを選手たちはよく知ってるから、
体調が悪かったなどとインタビューでは言わない。
でもボクは知ってるんです、と彼は言う。
負けた選手をけなす必要はない。
しかし、勝った選手に余計なエピソードもつけないでほしい。
興奮する試合を、上回る興奮で伝えないで欲しい。
競馬やプロレス中継で十分だ。
英語で言う Gild the lily. 百合に金箔。
そのままで美しいものに余計な手を加える。
ワシの好きな箱根駅伝も、そうなりつつある…。
スポーツと浪花節を混同するTVプロデューサーのせいか。
なんでもワイドショー形式じゃないと観ない視聴者のせい?
視聴率が稼げるようになると、要らないタレントがゲストで出るようになる。
スポーツに興味ない人たちにも観てもらえるように。
選挙で言う浮動票を狙ってのタレント議員のよう。
毎年やってる夏の高校野球だって、
オリンピックで金取った荒川静香の時だって、
アナウンサーと解説者だけで十分感動を伝えられたと思うのに。
やっぱアイドルとかお笑いが出ないと観たくありませんか?
ねえ、おばさん達…
