英語で読むタオのプーさん 第4章前編 | 英語は度胸とニューヨーク流!

英語で読むタオのプーさん 第4章前編

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第4章 カトルストンパイ


前回プーたちといっしょに道に迷ったラビットさん。
中途半端な賢さのために事態をよけい悪くしてしまうこともあります。
流れ作業的に物事を判断し、始めからその奥にあるほんとの姿を見ようとしないので、

時がたつにつれズレて行きます。

プーたちの森にカンガとその子供ルーが引っ越してきた時も、追い出そうとしたのはラビットさんでした。ただ自分たちと違うということで毛嫌いしたからです。幸いその計画はうまくいきませんでした。
彼の賢さというのは、人それぞれが持つ個性を尊重できません。理解できないのです。


プーの作った歌の1番をご紹介しましょう。

Cottoleston, Cottleston, Cottleston Pie,
A f;y can't bird, but a bird can fly.
Ask me a riddle and I reply.
Cottoleston, Cottleston, Cottleston Pie.


カトルストン、カトルストン、カトルストンパイ
ハエはトリないけど、トリは飛べる
謎々出せば、答えるよお
カトルストン、カトルストン、カトルストンパイ


そうハエはトリないけどトリは飛べる
bird の動詞は鳥猟とか鳥観察すること、ハエにはできません。
それでも多くの人がこうした当たり前のことを、=の公式にしようとします。
本来の姿を無視して、丸い物に四角いフタをするように。



自分のとこには曲がってフシだらけの使い物にならない木が立ってます。というフイツェ(惠子)の言葉に、
チュアンツェ(荘子)は、でもその木陰で休んだり、風格を楽しんだりはできるでしょう、と言いました。
そのものにあった使い方ではなく、材木にしようとするから役立たずに思えるのでは、ということです。

人間も同じ事。適材適所を心がけるには、その人の「内なる自然」を知り、尊重するのが大切。
ある人にとって薬や栄養になるものが、他の人には毒にも罠にもなることがある。


その例が、楚王から宰相の地位をオファーされた荘子の言った言葉です。


I am told that the Prince has a secred tortoise, over two thousand yers old,
which is kept in a box, wrapped in silk and brocade.
If the tortoise had been given a choice,

which do you think he would have liked better
- to have been alive in the mud, or dead within the palace ?
Of course, I too prefer the mud.


王様は2千歳を越える神聖な亀をお持ちで、
絹と錦に包まれて箱に入れてあるとか。
もしその亀にチョイスがあるなら、どちらを選ぶでしょう。
泥の中で生き延びるか、死んで宮中に住むか。
わたしも当然、泥を選びますよ。


プーの歌2番は2行目だけ変えてあります…
Cottoleston, Cottleston, Cottleston Pie,
A fish can't whistle and neither can I.
refrain


魚は口笛できないし、ボクもできないよ
以下繰り返し


これは自分には限界があり、それをよく知ってる証拠です。
そういう作りでないものを無理に頑張れば、事態は悪くなる。
残念ながら鳥や魚より賢いはずの人間には、

これを理解せず無理をして人を面倒に巻き込む人がいる。
逆に自分の弱さを知っていれば、強くなる努力も出来る。


ここでは、自分の限界を知らない愚かさを象徴するのがトラのティガーです。


カンガの子ルーとティガーが一緒に森を歩いています。
" Can Tiggers swim ?" said Roo.
" Of course, they can. Tiggers can do everything."
" Can they crimb trees better than Pooh ?" asked Roo.
" Crimbing trees is what they do best, " said Tigger,

" Much better than Pooh."
そしてあっという間に2人は、1番高い松の木の上で降りられなくなってしまいました。
幸いプーたちやクリストファーロビンが来て、助け出されましたが。


「ティガー達って泳げる?」とルーが聞きました。
「もちろんさ。ティガー達は何でもできるんだ」
「プーより上手に木に登ることもできる?」と、ルー。
「木登りは1番の得意さ」ティガーは言います。「プーより全然うまい」


東洋医学で「一病長命、無病短命」と言う言葉があります。
どこか悪いところがあれば、それに気を配って長生きできるが、

健康だと過信していれば、思わぬことで逝ってしまうことがある。

日本の「欠けた茶碗は長持ちする」に似てますね。


何でも出来ると言うティガーにはわからない、自分の限界。
それを理解することで、手を焼いたり面倒に巻き込まれたりしなくなり、

その限界を引き上げてゆくのも可能になります。


プーの歌最終3番の2行目は
Cottoleston, Cottleston, Cottleston Pie,
Why does a chicken, I don't know why.
refrain


何でヒヨコはそうするか、ボクにはわからない


そう、ヒヨコの行動なんて、本人たちにも誰にもわからないことです
学者に聞けば。「本能です」と言うでしょう。
これはすなわち、学者にもわからないということ。

電子顕微鏡を通して世界を眺め、答えを見つける代わりにもっと疑問を見つける人たちです。
哲学者に聞いてもたいした答えは得られず、結局自分たちの「内なる自然 = Inner Nature」

を見つけて、物事を「素のまま」で受け止めていくことが大切。


この章が本作の中で1番長いので、今回はカタルストンパイの歌までで、続きはまた次回にしましょう。


用語のポイント


reply (リプイ)(動詞)返事をする、応える (名詞)応答、反撃
≒answer も同じ使い方をするが、 反応するというニュアンスに欠ける 
secred (セイクリド)(形容詞)神聖な、宗教的な
tortoise (ータス) 陸亀、淡水にいる亀
≒turtle 海亀、小型の淡水亀、スープ用
brocade (ブオケイド)錦、金襴


表現のポイント


prefer (プィファー) ~を好む
prefer ~ to xxx xxxより~を好む
I prefer watching TV to going out.
出かけるよりテレビを観ていたい
prefer to do ~ rather than xxx xxxするより~したい
I prefer to watch TV rather than (to) go out. 

what they do best 1番得意なこと
Cooking is what she does best. 料理は彼女の大得意の事だ。

I don't know why 理由はしらない、分からない
I didn't know why she was so upset.
彼女がそんなに怒ってる理由が分からなかった

neither (ィザー)または(ナイザー) bothの反対。どちらも~でない
and neither can I.=and I can neither  倒置
neither ~ nor xxx ~でもxxxでもない
I can neither stand nor sit. 立つことも座ることも出来ない


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