Part 2. へんな英語はどうして生まれてくるんだ? | 英語は度胸とニューヨーク流!

Part 2. へんな英語はどうして生まれてくるんだ?






TerryTreeのブログ








今日のよく使う役立ち単語



Abuse
=
乱用、乱用する





今、企業の課題は人材のグローバル化だそうです。

しかし、若い社員の海外志向は年々下がる一方で、どんどん内向きになっているそうな。

海外旅行離れも進行中で、いそいそ行ってるのはバブルと円安の頃を知ってる中年以上です。

修学旅行にも海外へ行く時代なのになぜでしょう。

大きな原因は、海外で恥をかきたくない、不自由したくないといったメンタルが考えられます。

行く国の言葉がわからないと不安だし、自分の存在感も薄れそうですよね。

低め安定、ぬるま湯の長風呂といった感じでしょうか。

こうした精神性は外国語ができない以前の問題だと思います。



そんな彼らもカタカナ言葉の開発には日々いそしんでいます。

カタカナ言葉はもちろん欧米文化からの外来語が主です。

最近はもともとある意味をキョーチョーしたり、隠れた意味を持たせるのにも使われていますが、やはり間違って覚えた単語だったり、適当に作ってしまったりする単語も多いようです。



前者は主にメディア系の方々のへんな使い方で定着するケースです。

大手広告会社のDやH、テレビ局のアナウンサーなどは、たぶんいい大学を出たエリートばかり雇うはずですが、そんな彼らも英語はほとんど習得しないで卒業しているようです。(アナウンサーに関しては、声や顔優先で日本語は不自由に思えます)

でも聞きかじった単語はどんどん乱用する癖がついているので、情報の受け手側は知らずにそのとおりに使い始めるんでしょう。最近目立つ(耳出つ?)のは、何にでもingをつけてしまう人たちです。


コンディションを整える、がコンディショニングを整える (conditioning = 調整、条件付け)という人たちはきっと、同じ言葉でも長いほうが丁寧で専門的な気がして使っているのかもしれません。アメリカのアナウンサーなども同じです。でもこれは白い白衣と同じようにちょっとお間抜けです。




文章にいたってはパッケージなどにデザイン性を持たせるのに、英語がよく使われています。

ビールのラベルやちょっとした企業パンフレットなど、よく読んでみるとプッと噴出しそうになったり、なんともいえない的外れなことが書いてあったりします。 たぶん日本語を直訳したか自動翻訳ソフトから起こした文章ですが、大都市には英語の先生や観光客がたくさんいるんですから、大規模に発売する前にちょっと 捕まえて大丈夫かどうか聞いてみればいいのにと思います。文法や単語が合っていても、その言葉を話す人たちにはアイデア自体が理解不能なことも多いです。

わしらも海外に行くととんでもない日本語に出会って笑えることがありますが、大企業ではジョークのつもり以外では考えられません。これはグラフィックデザイナーが適当にやってるせいかもしれません。




さて後者の間違った英語ですが、heartfulfantasicがそうです。


心のこもった=ハートがいっぱいの=ハートフルという心理はわかりますが、ふつうにこれをネイティブの人の前で使えばhurtful = 有害な、と勘違いされるでしょう。


ファンタジー的な=ファンタジック、もありません。正しくはfantasticファンタスティックが形容詞になります。これはまあ通じるでしょうが、できれば覚えておきたい単語です。




言葉というのは常に使う人によって変わってゆくもの、ですが日本人の気質から言うと決してそういったおおらかな気持ちで使っているとは思えないので、やはり1度辞書をひいてみるのがいいでしょう。




よくフランス語やドイツ語など英語だけではないカタカナ語も多いですが、これは明治の開国期から大正にかけての外来語で、前者は芸術書、後者は医学書からの流用が多かったからだそうです。デッサン(sketch)とかアルバイト(part-time job)など日本語になってしまってるものも多々ありますが、英語も覚えておくといいと思います。

普段使っているカタカナ語、たまに和英辞書を引いてチェックしてみると面白いかもしれません。




次回は「No judgement」がテーマです。



参考書


間違いだらけのカタカナ英語

―知らないと恥をかく外来語の基礎知識 (学研新書) [新書]