先月のことである。
急に右足の親指のあたりが痛くなった。たいしたことはないと思い、寝る前にいつものようにyogaをした。
手と足を中心におこなうyogaである。おそらくそれでよくなるだろうと思った。腰の張りや疲労などに抜群の効果がいつもあるからである。
翌朝、目が覚めると痛くて歩くことさえままならない。ひどい痛みだ。おまけにぷくんと腫れている。いやな予感がした。
原因を考えてみると、久しぶりに履いた靴が足を締め付けていたことに思い至った。茶色の革靴だが、おそらく中国製。革が固い。
イタリアの皮革とは、しなやかさが違う。
足を休めていれば何とかなるだろうと思い、仕事は休んで、べッドの上で寝ていることにした。6月に膝が痛くなった時に使った医薬品のゼリーを塗ってみた。
ところが、痛みは増すばかりで、ますます腫れがひどくなっている。赤黒く腫れていて、まるでいたみはじめたトマトである。
薬が効かなかったので、焦ってきた。靴のせいではないと直感した。不安がつのるばかりである。
東京の反対側、多摩地区に住んでいる中学時代からの友人の内科医にメールを入れて、診断をあおいだ。
返事が来ない。年末のいそがしい時期で、インフルエンザなどで仕事に追われているなと思った。
関節や骨の病かとも思ったので、関西の地元で整形外科医をしている、やはり中学時代からの同級生に問い合わせようかと考えた。母が足の関節痛で苦しんでいたとき、そちらで診察を受けるように勧めたこともあった。
年末のいそがしい時期。痛みは相変わらずだが、いつまでも寝てはいられないので、仕事には行き、動かないですむ仕事を済ませることにした。そうこうするうちに、内科医から返答が来た。診断は、「痛風」である。痛みに対する対処法などについて、詳しく指示してある。
さっそく調べてみた。「痛風」で間違いない。足の親指のあたりが、ネットの痛風の画像そのままである。昨年の春まで、その友人の比較的近くに住んでいたので、年に数回は行って、検査などをしてもらっていた。
そういえば、高尿酸血症になる可能性があると何度か注意を受けていた。痛風は、まさにその身体への直接の帰結に他ならない。
弱気になっているときには、家族も含め人の親切が、じつにありがたい。唯一の家族である息子があれこれと気を使ってくれていた。
「やられたな」と思った。たしかに油断していた。以前職場の同僚が、痛風になり、食事や飲酒の制限をストイックなまでに実践していたことを思い出した。かつては、プリン体を取らないというのが、医療現場での対処法だった。ビールやえび、かになどが厳禁だった。グルメでビールが好きだった同僚はいっさいそうした類を食べたり飲まなくなり、急に活力を失っっていったことが記憶に甦る。
だが、いまはプリン体ではなく、脂肪の摂取等に問題があり、まずは食生活のバランスをとり、過度な大食いなどを避けることが必要だとする対処法が、医療の現場では主流である。その線で、自分なりに方針を固めた。痛み止めとしては、市販薬であるロキソニンSを内科医の友人が勧めていたが、調べてみると確かにそれ以外の鎮痛剤は利かないことがわかった。
一週間ほどで痛みは引くということだったが、その通り痛みもすこしずつ引いてきた。
痛風の名の由来は、風が吹いても痛みが走るということだが、じつにひどい痛みだった。
完治は難しいということだが、年が明けても痛みの残り、いまも走ったり早足で歩くことを妨げている。
これから、健康な生活を、何とか取り戻していきたいと思う。

