懐かしい
たくさんの素敵な
あるいは
ほろ苦い
そんな思い出が
ちりばめられた場所
だけれど
そこは秘密の場所で
自分の中では
封印していた
そんな場所
心の中にある
扉には
鍵がかかっていて
その存在すら
忘れていた
けれど確実に
それは何重にも
層をなした
記憶の中に
埋没しながらも
存在していた
そんな場所
それは日本のとある場所にあった
一時帰国をした折でも
そこを訪れることはなく
むしろ
ずっと避けていたのか
あえて考えないようにしていた
そんな場所
もう訪れることはないかな
と思いつつも
近くを通ることがあれば
確実に思い出してしまう
そんな場所
こだわっていた時期もあったけれど
それを通り越した後でさえも
その前を通り過ぎることさえ
なぜだか躊躇する自分がいた
そんな場所を離れて
25年以上の歳月が過ぎ
なぜだか今年の帰国の際
用があって
その場所の近くに行くことがあり
数メートル先の
その場所が視界に入った
一瞬のためらいのあと
私の足はその場所に向かって
歩き始じめていた
その場所に
真正面から立ち
その様を
しっかりととらえてみれば
あの頃の様子は
何一つ残っておらず
すべてが変わってしまっていた
・・・
フッ・・・
安堵なのか?
自分がこだわっていたものが
もろいものだったと感じたのか?
思わず
笑みがこぼれた
様々な過去の思い出
この場所に限ったことではない
大事に包み込んで
持ち続けていたもの
あそこに行けば
よみがえる場所
そこに行けば
また過去と同じ体験が
できるかのように
思っていた
そんな場所はもうなくなっていた
・・・
時は・・・
流れている・・・
人も場所もものも
記憶でさえも・・・
そして
それでいいんだ
そう思えた
2026年の日本の夏
私の次の章が始まる
そう感じた出来事だった
