ではまず以下の映像をご覧ください。
この映像では標準的な成人の心肺蘇生の手順を紹介しています。おおむねこの手順どおりでかまいません。
ここで、強調したいポイントとしては
・胸の真ん中を強く速く押す
・心臓マッサージはできるだけ中断しない
・人工呼吸はしなくてもよい(やりたくない・うまくできる自信がない・感染のリスクがある場合など)
ということですかね。
・胸の真ん中を強く速く押す
→1分間に100回程度(の速さ)と言われていますが、この回数はあくまでも目安ですので、実際にはそこまで気にしなくてもいいです。むしろ重要なのは、強く速く圧迫するということです。また胸を押した後、手を胸壁から離さずに、胸壁が完全に戻るまで力を抜く(除圧する)ことも忘れてはいけません。心臓がうまく働いていない場合、心臓マッサージをしている自分の手が心臓から血液を送り出す役割を担っています。心臓から血液を送り出すために重要なのは、実は心臓が収縮することよりも十分に拡張することなのです。ですから、マッサージをしている手が胸壁を圧迫し続けていると、血液が心臓の中に十分満たされず、血液を送り出せないということになります。
・心臓マッサージはできるだけ中断しない
→さきほども言いましたが、心臓マッサージはうまく働かなくなった心臓から血液を送り出す役割を担っています。これを中断するということは、その間、脳や心臓に血液が流れない状況を作ってしまうことになります。心臓マッサージを中断するのは
①AEDなどによる電気ショック(除細動)の時
②気管に呼吸のためのチューブを入れる(気管挿管)時
③傷病者を安全な場所へ移動させる時
④人工呼吸をする時
などが挙げられます。
基本的に電気ショック時、気管挿管時、火災現場など危険な場所から傷病者を移動させる時以外は、10秒以内の中断にとどめる必要があります。たぶん、一般のかたが中断する場合は、①、③、④だと思いますが、蘇生率の観点から言えば、④は不要かもしれません。それに関しては下に書いてます。
・人工呼吸はしなくてもよい(やりたくない・うまくできる自信がない・感染のリスクがある場合など)
→AHAが2008年の3月に発表した声明では"手のみの心肺蘇生"つまり心臓マッサージのみを行うことを推奨しています。これは心臓マッサージのみの蘇生を行ったほうが蘇生率が上昇するという研究結果に基づいているのですが、この根拠として
・人工呼吸による心臓マッサージの中断によってその間血流が途絶えてしまう
・人工呼吸による息の吹き込みによって、胸腔内圧が高まり、心臓や脳に行く(または戻る)血流が減少する
ことが挙げられます。
つまり、人工呼吸をすればするほど、心臓や脳に十分な血液が供給されなくなるということです。さらに、心停止直後は身体の中に十分酸素はあり、また身体の機能が停止した状態では酸素の必要量は少なくなることから人工呼吸の必要はないという人もいます。
そういうわけで、街中で突然倒れた人を見かけたなら、ためらわず人工呼吸なしの心臓マッサージをしてください。
実際に心臓マッサージのみの蘇生を実践し、多くの人が蘇生し、後遺症なく退院されている地域もあるようです。
「簡単・抜群 胸骨圧迫だけの心肺蘇生法」
ただ、どんな場合でも人工呼吸がいらないというわけではないんですけどね。それについてはまた別の機会に説明することとします。
とりあえず、成人の場合には心臓のけいれん(心室細動)によって倒れることが多いので、心臓マッサージのみの心肺蘇生で十分だと思います。
また、AHAの2005年のガイドラインによれば、呼吸の確認と胸が上がる程度の人工呼吸を2回行った後、脈が触れるかを頚動脈で確認するとありますが、これは一般の人には難しいため、最初の呼吸の確認+人工呼吸2回で呼吸と反応がない=心停止と考え、心臓マッサージを開始しても構わないという考え方に変わってきています。ただ、BLSのヘルスケアプロバイダー(講習を受けた人)や医療従事者は行ったほうがいいのかもしれませんが…。でも、自信がなかったり不確実な人工呼吸や脈拍の確認で手間取るぐらいだったら、最初から心臓マッサージだけをしたほうがいいと思いますね。
AEDの使用方法の詳細については次回説明したいと思います。
今日のまとめ
成人の心肺蘇生の手順
突然倒れた!
↓
周囲の安全を確認し、傷病者の肩をたたき「大丈夫ですか」「もしもし」などと大声で呼びかける
↓
反応がない・身体も動かない!
↓
119番に通報、AEDを取ってくる
周りに人がいれば、その人たちに通報とAEDを頼む
↓
A:気道の確保と呼吸の確認
①頭を後屈させ、あご先を挙上する
②傷病者の口と鼻の近くに耳を近づける(近づける時の顔の向きは傷病者の胸の動きが見える方向)
③傷病者の胸部を確認しながら
・胸部が上下に動いているかどうかを見る
・呼吸の音を聞く
・頬で呼吸している空気の流れを感じる
呼吸の確認は10秒以内とする
↓
呼吸がない!
↓
B:傷病者の鼻をつまみ、胸の上がる人工呼吸を2回行う(1回1秒)
もし、人工呼吸がためらわれる場合はしなくてもよい(その場合は直ちにCを実施する)
↓
人工呼吸をしても反応がない!
↓
C:心臓マッサージと人工呼吸を30:2(あるいは心臓マッサージのみ)で行う。これをAEDの到着あるいは傷病者の反応(身体が動いて抵抗するなど)が見られるまで続ける。
↓
AEDの到着
↓
AEDの電源を入れ(自動的に作動するタイプもある)電極パッドを心臓をはさむように装着(右の鎖骨の下付近と左の乳頭の下のわき腹付近)する。装着する間も心臓マッサージを中断してはいけない!
↓
心臓のリズムを解析する。この時は傷病者から離れる(傷病者に触れていると心電図の波形がちゃんと解析できなくなる)。
↓
ショックの適応:ショックを1回行った後、直ちに心肺蘇生を再開。先ほどの30:2を5サイクル(約2分間程度)行う。
ショック不要:直ちに心肺蘇生を再開。30:2を5サイクル(約2分間程度)行う。
↓
解析→ショック(orショック不要の場合は心肺蘇生)→心肺蘇生の繰り返し。
これを傷病者の反応があるまで、あるいは二次救命処置のできる人や医療機関に引き継ぐまで続ける。
この映像では標準的な成人の心肺蘇生の手順を紹介しています。おおむねこの手順どおりでかまいません。
ここで、強調したいポイントとしては
・胸の真ん中を強く速く押す
・心臓マッサージはできるだけ中断しない
・人工呼吸はしなくてもよい(やりたくない・うまくできる自信がない・感染のリスクがある場合など)
ということですかね。
・胸の真ん中を強く速く押す
→1分間に100回程度(の速さ)と言われていますが、この回数はあくまでも目安ですので、実際にはそこまで気にしなくてもいいです。むしろ重要なのは、強く速く圧迫するということです。また胸を押した後、手を胸壁から離さずに、胸壁が完全に戻るまで力を抜く(除圧する)ことも忘れてはいけません。心臓がうまく働いていない場合、心臓マッサージをしている自分の手が心臓から血液を送り出す役割を担っています。心臓から血液を送り出すために重要なのは、実は心臓が収縮することよりも十分に拡張することなのです。ですから、マッサージをしている手が胸壁を圧迫し続けていると、血液が心臓の中に十分満たされず、血液を送り出せないということになります。
・心臓マッサージはできるだけ中断しない
→さきほども言いましたが、心臓マッサージはうまく働かなくなった心臓から血液を送り出す役割を担っています。これを中断するということは、その間、脳や心臓に血液が流れない状況を作ってしまうことになります。心臓マッサージを中断するのは
①AEDなどによる電気ショック(除細動)の時
②気管に呼吸のためのチューブを入れる(気管挿管)時
③傷病者を安全な場所へ移動させる時
④人工呼吸をする時
などが挙げられます。
基本的に電気ショック時、気管挿管時、火災現場など危険な場所から傷病者を移動させる時以外は、10秒以内の中断にとどめる必要があります。たぶん、一般のかたが中断する場合は、①、③、④だと思いますが、蘇生率の観点から言えば、④は不要かもしれません。それに関しては下に書いてます。
・人工呼吸はしなくてもよい(やりたくない・うまくできる自信がない・感染のリスクがある場合など)
→AHAが2008年の3月に発表した声明では"手のみの心肺蘇生"つまり心臓マッサージのみを行うことを推奨しています。これは心臓マッサージのみの蘇生を行ったほうが蘇生率が上昇するという研究結果に基づいているのですが、この根拠として
・人工呼吸による心臓マッサージの中断によってその間血流が途絶えてしまう
・人工呼吸による息の吹き込みによって、胸腔内圧が高まり、心臓や脳に行く(または戻る)血流が減少する
ことが挙げられます。
つまり、人工呼吸をすればするほど、心臓や脳に十分な血液が供給されなくなるということです。さらに、心停止直後は身体の中に十分酸素はあり、また身体の機能が停止した状態では酸素の必要量は少なくなることから人工呼吸の必要はないという人もいます。
そういうわけで、街中で突然倒れた人を見かけたなら、ためらわず人工呼吸なしの心臓マッサージをしてください。
実際に心臓マッサージのみの蘇生を実践し、多くの人が蘇生し、後遺症なく退院されている地域もあるようです。
「簡単・抜群 胸骨圧迫だけの心肺蘇生法」
ただ、どんな場合でも人工呼吸がいらないというわけではないんですけどね。それについてはまた別の機会に説明することとします。
とりあえず、成人の場合には心臓のけいれん(心室細動)によって倒れることが多いので、心臓マッサージのみの心肺蘇生で十分だと思います。
また、AHAの2005年のガイドラインによれば、呼吸の確認と胸が上がる程度の人工呼吸を2回行った後、脈が触れるかを頚動脈で確認するとありますが、これは一般の人には難しいため、最初の呼吸の確認+人工呼吸2回で呼吸と反応がない=心停止と考え、心臓マッサージを開始しても構わないという考え方に変わってきています。ただ、BLSのヘルスケアプロバイダー(講習を受けた人)や医療従事者は行ったほうがいいのかもしれませんが…。でも、自信がなかったり不確実な人工呼吸や脈拍の確認で手間取るぐらいだったら、最初から心臓マッサージだけをしたほうがいいと思いますね。
AEDの使用方法の詳細については次回説明したいと思います。
今日のまとめ
成人の心肺蘇生の手順
突然倒れた!
↓
周囲の安全を確認し、傷病者の肩をたたき「大丈夫ですか」「もしもし」などと大声で呼びかける
↓
反応がない・身体も動かない!
↓
119番に通報、AEDを取ってくる
周りに人がいれば、その人たちに通報とAEDを頼む
↓
A:気道の確保と呼吸の確認
①頭を後屈させ、あご先を挙上する
②傷病者の口と鼻の近くに耳を近づける(近づける時の顔の向きは傷病者の胸の動きが見える方向)
③傷病者の胸部を確認しながら
・胸部が上下に動いているかどうかを見る
・呼吸の音を聞く
・頬で呼吸している空気の流れを感じる
呼吸の確認は10秒以内とする
↓
呼吸がない!
↓
B:傷病者の鼻をつまみ、胸の上がる人工呼吸を2回行う(1回1秒)
もし、人工呼吸がためらわれる場合はしなくてもよい(その場合は直ちにCを実施する)
↓
人工呼吸をしても反応がない!
↓
C:心臓マッサージと人工呼吸を30:2(あるいは心臓マッサージのみ)で行う。これをAEDの到着あるいは傷病者の反応(身体が動いて抵抗するなど)が見られるまで続ける。
↓
AEDの到着
↓
AEDの電源を入れ(自動的に作動するタイプもある)電極パッドを心臓をはさむように装着(右の鎖骨の下付近と左の乳頭の下のわき腹付近)する。装着する間も心臓マッサージを中断してはいけない!
↓
心臓のリズムを解析する。この時は傷病者から離れる(傷病者に触れていると心電図の波形がちゃんと解析できなくなる)。
↓
ショックの適応:ショックを1回行った後、直ちに心肺蘇生を再開。先ほどの30:2を5サイクル(約2分間程度)行う。
ショック不要:直ちに心肺蘇生を再開。30:2を5サイクル(約2分間程度)行う。
↓
解析→ショック(orショック不要の場合は心肺蘇生)→心肺蘇生の繰り返し。
これを傷病者の反応があるまで、あるいは二次救命処置のできる人や医療機関に引き継ぐまで続ける。
