久しぶりの更新ですみません。
今回はAEDの使用方法についてです。
AEDはいわゆる電気ショックのことです。突然の心停止の原因として一番多いのが心室細動つまり心臓のけいれんと言われているので、そのけいれんを電気ショックを与えて取り除き(除細動)、正常の心リズムに戻すことが必要です。
AEDの適応は
・心室細動(心臓が小刻みに震えているだけで血液を送り出すことが出来ない状態)
・脈のない心室頻拍(心臓が頻回に収縮するので、拡張して血液を心臓にためることができず、十分な血液を全身に送り出せない。心室細動に移行しやすい)
です。
実は、心停止の種類として主に4つ挙げられるのですがそれについては省略したいと思います。今回は使用方法についての説明ですので、詳しく知りたい方は他のHPや本を参照してください。とにかく、街中で突然倒れたかたに全てAEDが適応されるわけではなく、その4つのうちの上記2つがAEDの適応となることだけ知っておいてください。
とはいえ、一般の方にはそんなことを言ってもわからないかもしれません。AEDの電源を入れ(中には自動的に電源が入るものもある)パッドを装着すると、機械が自動的に心電図の解析をしてショックの適応の有無を教えてくれますが、一応念のために記しておきます。
心室細動を放っておくと、心静止つまりよく医療ドラマなどで見かけるまっすぐなフラットの線の心電図の状態となりますので、ショックの適応となる場合は一刻も早いAEDの使用が必要です。
ただし、AEDが万能かと言われればそれはNOです。
AEDによるショックの効果を上げるためには、CPRつまり心臓マッサージが不可欠です。電気ショックだけではダメなんです。心室細動による心停止後にショックのみ(CPRなし)を行った場合、生存率が1分間に7~10%低下すると言われています。逆に、その場に居合わせた人によるCPRが行われると、ショックまでの時間の長短に関係なく心停止後の生存率が高くなります。
それでは、AEDの使用方法について以下の動画をどうぞ。この動画は一次救命処置も一緒に行っているので、前回の復習としてご覧ください。
今回のポイントとしては、
・パッドを装着するときも心臓マッサージは中断しない
・心電図を解析しているときと電気ショックを行う時は患者から離れる
・ショックを与えた後、患者の意識が戻らない・身体の動きが見られない場合は、ただちに心臓マッサージを再開する
です。
・パッドを装着するときも心臓マッサージは中断しない
→大抵の場合、周りには自分ひとりでないことのほうが多いと思いますし、最初に「できるだけたくさんの人を集めてください」と周りにいる人に伝えますので、自分が心臓マッサージをしているときは、他の人(AEDを持ってきた人など)にパッドの装着をしてもらいましょう。基本的にAEDの使用方法は音声ガイダンスが教えてくれますのでその指示にしたがってください。心臓マッサージを中断することはすなわち脳への血流がとだえるということですから絶対に避けなければなりません。もし、AEDを持ってきた人が講習を受けていなかったり、使用方法に自信がないという場合は、その人に心臓マッサージを交代してもらい、AEDを使用できる人がパッドの装着を行います。そのときの交代は速やかに行ってください(10秒以内)。
・心電図を解析しているときと電気ショックを行う時は患者から離れる
→解析を行っている時に患者の身体に触れていると、適正な解析が行えません。また、電気ショック時に患者に触れていると感電してしまいますので、安全のために離れてください。そして、周りの人が離れていることも確認してください。
・ショックを与えた後、患者の意識が戻らない・身体の動きが見られない場合は、ただちに心臓マッサージを再開する
→以前はショックを3連続で与えることになっていましたが、AHAのガイドライン2005では、1回のショック後すぐに30:2を2分間あるいは5サイクルでCPRを再開するというふうに変更されています。この根拠として、ショック後に心臓が反応して脈が戻るのに37秒以上かかるというものがあります。だから、この間に解析をすることは無意味ですし、また3回連続でショックを与えるということは、この間心臓マッサージが中断されることを意味します。もちろん、これでは患者は死んでしまいます。言うまでもなく、脈の確認は無意味なので、ショック後は脈の確認を行わず直ちに心臓マッサージを再開してください。
以下の場合どうすればよいかを示します。
・小児が心停止となったが、AEDパッドが成人用しかない
→小児用がなければ成人用パッドを使用してかまいません。ただし、その際パッド同士が触れないように装着してください。なお、この場合の小児は1~8歳までをさしますので、8歳以上の場合は必ず成人用パッドを使用してください。
・1歳以下の小児(乳児)が心停止となった
→AEDは使わずCPRのみ行います。ただし、現在のところ1歳未満の乳児に対してAEDの使用を推奨する十分な根拠も、否定する十分な根拠もありません。
・胸毛が濃い
→日本人ではそんなに胸毛が濃い人はいないかもしれませんが、胸毛が濃いと、AEDのパッドが胸毛に付着して胸部の皮膚に貼りつかない可能性があります。そうするとAEDによる心電図の解析ができなくなります。その場合にはAEDの音声ガイダンスが「電極を確認してください」や「電極パッドを確認してください」と言ってくれます。もし、そういう人にAEDを使用しなければならない場合は、一度パッドをしっかり押し付けてみて、それでも同じメッセージが出る場合には、勢いよくパッドをはがして胸毛を除去してください。AEDによってはケースの中に剃刀が入っている場合もあるので、それを使用してもかまいません。そして、新しいパッドに付け替えてください。
・患者が水に浸かっていたり、胸が濡れている
→水は電気をよく通すので、水中でAEDを使用してはいけません。そういう場合は水中から引き上げてください。そして、胸元が濡れていると思いますので、水分をふき取ってからパッドを装着してください。胸部が濡れていると、ショックを与えるための電気が水を伝わって胸部の皮膚全体に逃げてしまい、必要なエネルギーのショックを与えることが出来ません。
・ペースメーカーなどを使用している患者
→ペースメーカーを使用している患者の場合、胸部の上方鎖骨の下ぐらいにトランプの箱の半分ぐらいの大きさの盛り上がりが見えます。そこにペースメーカーの機械が埋め込んであるのですが、この上にパッドを装着すると医療機器の機能が妨げられるおそれがあるので、その場合、電極パッドはその部分から2.5㎝以上離れたところに貼ってください。それ以外は通常の方法と同じです。
・薬剤パッチ(ニトログリセリン、鎮痛薬など)が貼ってある
→最近は、皮膚から吸収されるタイプの薬剤パッチを使用している患者も増えてきました。そういう薬剤パッチが胸部に貼ってある場合も、ペースメーカーの時と同様、その上から電極パッドを装着してはいけません。電気ショックのエネルギーが心臓にうまく伝わらず、また皮膚に軽いやけどを引き起こすことがあるからです。したがって、その場合はパッチをはがし、その部分をきれいに拭き取ってから電極パッドを装着してください。
最後に
院外での心停止において倒れた瞬間が目撃されず
・成人で心停止後4分以上経過している場合
・小児の心停止
に関しては先にCPRを5サイクル行ってからAEDを使用してください。
今日のまとめ
AEDの使用方法
※操作は音声ガイダンスに従うことが基本!
心停止後、AEDが到着するまではCPRを続ける(前回の手順を参照)
↓
AEDが到着したら電源を入れる(ケースを開けると自動的に電源が入るタイプもある)
↓
傷病者の胸をはだけ、電極パッドを装着する(右の胸の鎖骨の真下と左の乳頭左下わき腹付近)。電極パッドの接続ケーブルをAED本体に接続する(あらかじめ接続されているものもある)。
このときも、心臓マッサージは中断しない!
↓
「解析中」「患者から離れてください」という音声が流れたら、患者から離れる。
↓
ショックの適応であれば、「私は離れています。あなたも離れています。みんな離れています」や「離れて」などと大声で指示し、周りの人が患者から離れているか確認する。
↓
ショックボタンを押す
↓
ショックを与えた後、患者に反応がなければCPRを心臓マッサージから直ちに再開する(心臓マッサージ:人工呼吸=30:2を5サイクル又は心臓マッサージのみ)。
↓
CPRを2分間(5サイクル)行ったあとに、AEDから解析およびショックをくり返すよう指示が出るのでそれに従う。
↓
患者の反応がある、あるいは二次救命処置が行える救急隊・医療従事者が到着するまで上記を繰り返す(CPR+解析+ショック)。
追記:ちなみに、ショックの適応でない場合はショックボタンを押しても電気は流れないようになっていますので安心してください。重要なことを書くの忘れてました…。
今回はAEDの使用方法についてです。
AEDはいわゆる電気ショックのことです。突然の心停止の原因として一番多いのが心室細動つまり心臓のけいれんと言われているので、そのけいれんを電気ショックを与えて取り除き(除細動)、正常の心リズムに戻すことが必要です。
AEDの適応は
・心室細動(心臓が小刻みに震えているだけで血液を送り出すことが出来ない状態)
・脈のない心室頻拍(心臓が頻回に収縮するので、拡張して血液を心臓にためることができず、十分な血液を全身に送り出せない。心室細動に移行しやすい)
です。
実は、心停止の種類として主に4つ挙げられるのですがそれについては省略したいと思います。今回は使用方法についての説明ですので、詳しく知りたい方は他のHPや本を参照してください。とにかく、街中で突然倒れたかたに全てAEDが適応されるわけではなく、その4つのうちの上記2つがAEDの適応となることだけ知っておいてください。
とはいえ、一般の方にはそんなことを言ってもわからないかもしれません。AEDの電源を入れ(中には自動的に電源が入るものもある)パッドを装着すると、機械が自動的に心電図の解析をしてショックの適応の有無を教えてくれますが、一応念のために記しておきます。
心室細動を放っておくと、心静止つまりよく医療ドラマなどで見かけるまっすぐなフラットの線の心電図の状態となりますので、ショックの適応となる場合は一刻も早いAEDの使用が必要です。
ただし、AEDが万能かと言われればそれはNOです。
AEDによるショックの効果を上げるためには、CPRつまり心臓マッサージが不可欠です。電気ショックだけではダメなんです。心室細動による心停止後にショックのみ(CPRなし)を行った場合、生存率が1分間に7~10%低下すると言われています。逆に、その場に居合わせた人によるCPRが行われると、ショックまでの時間の長短に関係なく心停止後の生存率が高くなります。
それでは、AEDの使用方法について以下の動画をどうぞ。この動画は一次救命処置も一緒に行っているので、前回の復習としてご覧ください。
今回のポイントとしては、
・パッドを装着するときも心臓マッサージは中断しない
・心電図を解析しているときと電気ショックを行う時は患者から離れる
・ショックを与えた後、患者の意識が戻らない・身体の動きが見られない場合は、ただちに心臓マッサージを再開する
です。
・パッドを装着するときも心臓マッサージは中断しない
→大抵の場合、周りには自分ひとりでないことのほうが多いと思いますし、最初に「できるだけたくさんの人を集めてください」と周りにいる人に伝えますので、自分が心臓マッサージをしているときは、他の人(AEDを持ってきた人など)にパッドの装着をしてもらいましょう。基本的にAEDの使用方法は音声ガイダンスが教えてくれますのでその指示にしたがってください。心臓マッサージを中断することはすなわち脳への血流がとだえるということですから絶対に避けなければなりません。もし、AEDを持ってきた人が講習を受けていなかったり、使用方法に自信がないという場合は、その人に心臓マッサージを交代してもらい、AEDを使用できる人がパッドの装着を行います。そのときの交代は速やかに行ってください(10秒以内)。
・心電図を解析しているときと電気ショックを行う時は患者から離れる
→解析を行っている時に患者の身体に触れていると、適正な解析が行えません。また、電気ショック時に患者に触れていると感電してしまいますので、安全のために離れてください。そして、周りの人が離れていることも確認してください。
・ショックを与えた後、患者の意識が戻らない・身体の動きが見られない場合は、ただちに心臓マッサージを再開する
→以前はショックを3連続で与えることになっていましたが、AHAのガイドライン2005では、1回のショック後すぐに30:2を2分間あるいは5サイクルでCPRを再開するというふうに変更されています。この根拠として、ショック後に心臓が反応して脈が戻るのに37秒以上かかるというものがあります。だから、この間に解析をすることは無意味ですし、また3回連続でショックを与えるということは、この間心臓マッサージが中断されることを意味します。もちろん、これでは患者は死んでしまいます。言うまでもなく、脈の確認は無意味なので、ショック後は脈の確認を行わず直ちに心臓マッサージを再開してください。
以下の場合どうすればよいかを示します。
・小児が心停止となったが、AEDパッドが成人用しかない
→小児用がなければ成人用パッドを使用してかまいません。ただし、その際パッド同士が触れないように装着してください。なお、この場合の小児は1~8歳までをさしますので、8歳以上の場合は必ず成人用パッドを使用してください。
・1歳以下の小児(乳児)が心停止となった
→AEDは使わずCPRのみ行います。ただし、現在のところ1歳未満の乳児に対してAEDの使用を推奨する十分な根拠も、否定する十分な根拠もありません。
・胸毛が濃い
→日本人ではそんなに胸毛が濃い人はいないかもしれませんが、胸毛が濃いと、AEDのパッドが胸毛に付着して胸部の皮膚に貼りつかない可能性があります。そうするとAEDによる心電図の解析ができなくなります。その場合にはAEDの音声ガイダンスが「電極を確認してください」や「電極パッドを確認してください」と言ってくれます。もし、そういう人にAEDを使用しなければならない場合は、一度パッドをしっかり押し付けてみて、それでも同じメッセージが出る場合には、勢いよくパッドをはがして胸毛を除去してください。AEDによってはケースの中に剃刀が入っている場合もあるので、それを使用してもかまいません。そして、新しいパッドに付け替えてください。
・患者が水に浸かっていたり、胸が濡れている
→水は電気をよく通すので、水中でAEDを使用してはいけません。そういう場合は水中から引き上げてください。そして、胸元が濡れていると思いますので、水分をふき取ってからパッドを装着してください。胸部が濡れていると、ショックを与えるための電気が水を伝わって胸部の皮膚全体に逃げてしまい、必要なエネルギーのショックを与えることが出来ません。
・ペースメーカーなどを使用している患者
→ペースメーカーを使用している患者の場合、胸部の上方鎖骨の下ぐらいにトランプの箱の半分ぐらいの大きさの盛り上がりが見えます。そこにペースメーカーの機械が埋め込んであるのですが、この上にパッドを装着すると医療機器の機能が妨げられるおそれがあるので、その場合、電極パッドはその部分から2.5㎝以上離れたところに貼ってください。それ以外は通常の方法と同じです。
・薬剤パッチ(ニトログリセリン、鎮痛薬など)が貼ってある
→最近は、皮膚から吸収されるタイプの薬剤パッチを使用している患者も増えてきました。そういう薬剤パッチが胸部に貼ってある場合も、ペースメーカーの時と同様、その上から電極パッドを装着してはいけません。電気ショックのエネルギーが心臓にうまく伝わらず、また皮膚に軽いやけどを引き起こすことがあるからです。したがって、その場合はパッチをはがし、その部分をきれいに拭き取ってから電極パッドを装着してください。
最後に
院外での心停止において倒れた瞬間が目撃されず
・成人で心停止後4分以上経過している場合
・小児の心停止
に関しては先にCPRを5サイクル行ってからAEDを使用してください。
今日のまとめ
AEDの使用方法
※操作は音声ガイダンスに従うことが基本!
心停止後、AEDが到着するまではCPRを続ける(前回の手順を参照)
↓
AEDが到着したら電源を入れる(ケースを開けると自動的に電源が入るタイプもある)
↓
傷病者の胸をはだけ、電極パッドを装着する(右の胸の鎖骨の真下と左の乳頭左下わき腹付近)。電極パッドの接続ケーブルをAED本体に接続する(あらかじめ接続されているものもある)。
このときも、心臓マッサージは中断しない!
↓
「解析中」「患者から離れてください」という音声が流れたら、患者から離れる。
↓
ショックの適応であれば、「私は離れています。あなたも離れています。みんな離れています」や「離れて」などと大声で指示し、周りの人が患者から離れているか確認する。
↓
ショックボタンを押す
↓
ショックを与えた後、患者に反応がなければCPRを心臓マッサージから直ちに再開する(心臓マッサージ:人工呼吸=30:2を5サイクル又は心臓マッサージのみ)。
↓
CPRを2分間(5サイクル)行ったあとに、AEDから解析およびショックをくり返すよう指示が出るのでそれに従う。
↓
患者の反応がある、あるいは二次救命処置が行える救急隊・医療従事者が到着するまで上記を繰り返す(CPR+解析+ショック)。
追記:ちなみに、ショックの適応でない場合はショックボタンを押しても電気は流れないようになっていますので安心してください。重要なことを書くの忘れてました…。