その日、部屋に帰った私を迎えたものは蒸し暑い部屋と毛布に吐かれた猫さんの毛玉
「はぁ……仕方ない」
と、溜息を吐きながらティッシュを手にした時
…カサカサカサカサ
「!!!」
凄い勢いで黒いナニカが動いた
こ、これは……
いや、考えたく無い
この部屋で見たことなんてかれこれン年無いはずだ
しかし……
心臓は破裂しそうなほど高鳴り額からは汗が噴き出る
「さ、殺虫剤!殺虫剤!」
慌てふためく私を横に窓枠から呑気に見下ろす千鶴
猫さん達を避難させた後、ナニカが逃げ込んだ先へ殺虫剤を噴射
……!!
やはり黒いヤツだ!!
殺虫剤がかかっているはずなのに素早く縦横無尽に動き回る
あぁ……物が殺虫剤で染まっていく……
一本使い切った所で息の根が止まったようだ
涙ながらヤツを何重にも重ねたティッシュで包み、更にテープでぐるぐる巻にしてゴミ袋に捨てた後
殺虫剤を買いに走った……
殺虫剤まみれの物を拭くウェットティッシュと共に……
完