横浜 シネマジャック&ベティ朗読
12月14日(水)、横浜 シネマジャック&ベティは女性サービスデー。18時25分からの上映前に、福間健二監督による、詩集『秋の理由』のなかの詩の朗読が行なわれました。
冬の到来を思わせる寒い日でしたが、駆けつけてくれた熱心な観客の皆さんを前に、福間監督は気合が入っていました。
まず、あいさつのあとに「冬っぽくなってきましたが、ヘリクツを考えるのが得意な僕としては、『秋の理由』が上映されているあいだは、秋は終わらないと考えています」と切り出しました。
さらに、「僕の映画には詩が出てきます。映画と詩、どうなってるのかとよく聞かれます。しかし、映画が言葉を持って以来、つまり、サイレント映画の時代からそうなのですが、映画に詩がない方がおかしい。いい映画は、かならず詩を含んでいます」と持論を展開。声を失った作家村岡が登場する『秋の理由』で、どんなふうに人間の言葉と声について考えさせられたかなどを話しました。
この日の朗読は、まず、長めの作品「脱出」から。
映画の後半で、宮本への美咲の手紙として出てくるフレーズがここから取られています。
「これからは/だれのこともそんなに好きになれない」
「これからは/だれに対してもそんなによくしてやれない」
つづいて、二つの短い作品、「ミスキャスト」と「誘惑」のあと、この日の朗読のために特別に編集したという「秋の理由〜ぼくはまだ黒い芯をたかぶらせている」が読まれました。ボブ・ディランが最大のライヴァルだと思って詩を書いてきたという福間監督の朗読、独特のノリがあって、やっぱりいいです。
「うっとりと聴き入った」という感想も、上映後のロビーで聞かれました。
ほんとうに寒い夜でした。でも、福間監督の声は熱く響きました。来ていただいた皆さん、ありがとうございました。
ジャック&ベティの『秋の理由』は、12月16日(金)までです。
どうぞ、よろしく!