目まい・手の震え・頭痛の症状に加えて、体が疲れているのに眠れない。
無の感情と共に、自分への無力感・嫌悪感がじわじわと湧いてきた。
「いちごの農業やるために会社辞めてきたのに、何やってんだろう俺」
「本当にいちごの農業をできるようになるのだろうか」
「もしかしてずっと工場勤務をやらされるのかもしれない」
考えることをしようとすると、負の感情しか湧いてこない。
ふと、兄と私である方に挨拶しに行った時の兄の一言を思い出した。
ある方「いちごの農業やるの?大変じゃない?」
兄「やるって言わせました」
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「もしかして、俺は兄にとって都合の良い駒として利用されているのではないか」
完全に思考がおかしくなっている。
兄に確かめたい。
「いつになったらいちごの農業ができるようになるのか」
「いつまで工場勤務をやらされるのか」
「そもそも工場勤務することに意味があるのか」
しかし兄は社長業で忙しいのか、工場にあまり来ない。
遠慮がちな性格もあって、私から相談することはできなかった。
私の状態を見てパティシエが見かねたのか、病院に行くように提案された。
その時のパティシエの私を見る、まるで汚いものを見るような表情を思い出してこみ上げてくるものがある。
初めて心療内科にかかったが、病名などはとくになく精神安定剤を処方された。
カウンセリングがあれば少し違った将来があったかもしれないと今は思うが、
その時の精神状態は、自分で考えることができない。
病院を出ると兄から着信があったので、電話を折り返す。
要約すると、そういった薬はクセになるから絶対に飲むなといったようなことを言われた。
「医者から薬を処方されたのに、飲んではいけない」
「どうすれば良いのか」
「病気じゃないのに体の不調。この先ずっとこの症状が続くのか」
「妻には心配かけたくないから、相談したくない」
「医者もダメ・兄は相談したくない・両親も心配かけたくない」
「この不安を誰に相談すれば良いかまったく分からない」
その日は工場に帰ったのか、自宅に帰ったのか全く覚えていない。
「どうしてこうなったのか」
「これからの人生どうなるのか」
今考えると、いなくなってしまいたいなどの極限状態にはなっていなかったと思う。
しかし、誰にも相談できない寂しさが強く、ただただ耐える時期だった。
本当につらかった。
誰も助けてはくれないと思っていた。
その状態で年を越したのだが、年始にいきなり2つのトラブルが待ち受けていた。。。