神戸市北区山田町の下谷上農村舞台で歌舞伎上演会があるとのことで見学に出掛けました。

下谷上農村舞台は神戸電鉄有馬線「箕谷駅」から徒歩10分程で、山田中学校横の天彦根神社境内にあります。

丁度、10年前に北区の茅葺き古民家の見学会に参加した折、下谷上農村舞台が歌舞伎上演のため、随所に工夫を凝らした建築物であることを内部監察で知りました。その後、是非一度、上演会を見たいと思っていましたが、やっと実現した訳です。

小生のブログ「北区の農村歌舞伎舞台と茅葺き民家 2009.11.22」は参照下さい。https://ameblo.jp/teravist/entry-12543121461.html

 

北区での農村歌舞伎上演会は平成12年度に始まり、平成27年度からは、北区農村歌舞伎上演会実行委員会の主催で、毎年秋に実施されています。平成30年度は、山田町小河の農村歌舞伎舞台で開催するなど、小河農村舞台、上谷上農村舞台、下谷上農村舞台、藍那農村舞台(国営明石海峡公園神戸地区内)が持ち回りで開催されているようです。

参考までに、下記に北区の主な農村舞台を山田民俗文化保存会のパンフから紹介しました。

農村舞台は江戸時代中期から成立が始まり、江戸末期から明治初期にかけて盛んに作られた建築物。その多くが神社境内に付随しており、神事行事と併せて歌舞伎などの芸能行事が上演され、農村集落の娯楽として楽しまれていたそうです。

山田中学校横の参道石畳正面に茅葺き舞台が見え、その奥に天彦根神社が鎮座しています。

 

ご覧の通り満員の観客。左手が花道。左手奥の森麓に石鳥居が見えます。

 

正式名称は『天津彦根神社』。明治の頃、石碑に『天彦根』と誤って彫ってしまったのがそのままになってしまったそうです。

 

途中で舞台が回転して場面景色が変わっています。舞台上の床に棒をさし、数人が人力で舞台を回しました。上演終了後、全員が登場し挨拶をしている場面です。大きな拍手、観客の一部が立ち上がって「おひねり」を投げている。舞台上に沢山転がっているのが分かるだろうか。和やかな風景であった。