臨済宗建仁寺派の塔頭寺院・両足院は、650余年前に龍山徳見禅師を開山として「知足院」として始まりました。その後両足院を創建した文林寿郁は、元(中国)から日本に『饅頭』を伝えた林浄因の曾孫です。「茶と饅頭」の寺になります。また、室町時代までは五山文学の最高峰として、建仁寺の学問面の中核を担ったお寺です。重文の三教図 伝如拙筆や伊藤若沖筆雪梅雄鶏図、長谷川等伯の屏風図などがある。

イメージ 1
       両足院山門。

イメージ 2
唐門前の幾何学的敷石と白砂紋と緑松の組み合わせが絶妙です。禅寺の特長。

イメージ 3
唐門内の花頭窓。いよいよ禅寺の世界に入っていく序曲が聞こえてきます。

イメージ 4
       方丈前の苔むした庭。

イメージ 5
            方丈庭から書院前の庭への路。

イメージ 6
私の大好きなクチナシの花です。強く甘い香りを放っています。後ほど紹介する半夏生よりも通常は一週間以上早く咲き終わるが、今年は一緒に咲いており、珍しいとのことでした。後で訪れた建仁寺もクチナシがいたるところに沢山咲いており、クチナシの名所です。

イメージ 7
        書院と池泉廻遊式庭園。

イメージ 8
これが半夏生。池の周囲に花盛り。「半夏生」とは、夏至から数えて11日目にあたる日で、この時期に「カラスビシャク(漢名:半夏)」という薬草が生えることから名がつけられました。ドクダミ科。別の説では,花に近い葉っぱの一部が白くなり花よりも目立つので,“半化粧”だともいわれます。
イメージ 9


イメージ 10
        書院から見た庭園。

イメージ 11
左: 織田信長の弟織田有楽斎好みの国宝如庵の写し「水月亭」 右:大村梅軒好み「臨池亭」、6帖席で広い。織部流のお茶をいただきながらの庭観賞は茶道などチンプンカンプンの小生にとっても心地よい。尚、武将・古田織部は信長、秀吉に仕え、千利休の弟子で、天王山麓の西岡城主。武家の茶道として栄えた。

イメージ 12
水月亭にじり口。腰張には中国の古暦を用い「暦の席」ともいう。

イメージ 13
二畳半台目の水月亭。光を外からとり入れる工夫がされた有楽窓といい、光線が障子に縞模様を描きます。又、三角形の鱗板で室内を広く見せているそうです。いろいろな工夫が濃縮されいてるようです。

イメージ 14
方丈の廊下で座禅がありました。庭園の一般公開が終了後の6時から始まりました。参加者は10名ほどでした。庭園の苔と石と木に向かいあい、夏の夕刻は涼しく、静かでした。姿勢を正し、半目で、呼吸を整え、無心になることだそうです。凡人は無心になれない。そのために色々方法を伝授いただいたがうまくいかない。この静かさを感じてもいけないのだから厄介なことである。初心者の小生はこの静寂と澄んだ空気を肌に感じて、少しでも平常心を保てる努力をしていた。

イメージ 15
北側にある毘沙門堂。両足院鎮守の鞍馬毘沙門天の胎内仏である「毘沙門天立像」を祀る。比叡山焼討ちの際、戦火を逃れ、黒田長政に護持され、その後縁あって両足院があずかることになったのがいわれ。

イメージ 16
毘沙門天堂の狛犬は、寅。香炉にも寅が、浮き彫りされていて寅年の人の守り本尊です。


この前後に建仁寺及び周辺を散策しましたので報告します。