今日12/26は私にとって特別な日。

 

わが子を亡くした日だ。

 

 

 



 

 

5年前の今日。

私は産婦人科にいた。

 

珍しく雪が降る日だった。

 

2年に及ぶ

不妊治療。

 

 

自然妊娠が厳しいとわかり、

人工授精も可能性が低いと告げられ、

 

 

体外受精を選択した。

 

 

 

お金はかかったものの

順調そのものだった。

 

 

 

このまま母になれると信じきっていた。

 

 

 

 

ただ主治医がボソッと呟いた。

 

 

「ダメ・・・・だった」

 

 

 

 



 

何を言っているかわからなくて

 

 

「えっ?」

 

 

と聞き返した。

 

 

その後のやりとりは覚えていない。

 

「世界が止まる」という感覚を

初めて経験した。

 

待合室に出ると

自然に目から何かが流れた。

 

ただ「悲しい」とかそんな感情でもなかった。

ただ「何か」が流れて止まらなかった。

 

 

ちょうどロビーは

新生児検診の母子で溢れかえっていた。

 

 

私は椅子に座っちゃいけない身分な気がして

会計を立ったまま待っていた。

 

ロビーで待っていた夫とは

目が合わせられずに

黙って車に戻った。

 

外は雪が降っていた。

 



 

30分くらいだろうか。

夫はただ黙って隣にいた。

私は何も言えなかった。

 

経緯は忘れたが

夫がラーメン屋に連れて行ってくれた。

 

母子でごった返す産婦人科から離れて、

サラリーマンだらけの

人気のラーメン屋。

 

おじさんたちに囲まれて

なぜか少しホッとした。

 

 

カウンターで食べたラーメン。

そこでもずっと涙が止まらなかった。

 

 

感情を失っていたような気がする。

 

そこから3日間くらい

ずっと私は空を見ていた。

 

 

「わが子はどこに行ったのだろう」

 

 



 

=続く=