「お願いです。20万円払うので、大学入学を2年遅らせてください」。

皆さんや、皆さんのお子さんお孫さんに対し、
こんなお願いがあったらどうします?

来週の質問に向けて取り組んでいる問題が、
「高卒認定試験、採点ミス問題」です。
高校卒業認定試験とは、いわゆる「大検」です。

この問題は昨年末発覚したもので、
本来、合格点を獲得しているにも関わらず、
文部科学省のコンピューターミスによって採点ミスが生じ、
不合格にされた受験生が2000人弱にものぼった問題です。

文部科学省は、その非を認め、
即時、それらの本来合格していた受験生に合格証を発送し、
和解金の提示をしました。

その額、最大20万円。

その他の被害額には個別に相談にのる、とのことですが、
お決まりの「領収書が必要」。

金銭的で補填で挽回できる問題ではありませんが、
自らミスを犯しておきながら、
損害額は受験者が証明しろ、という態度です。

そして、この問題で一番重要なのは、
被害者は金銭のみならず、時間と機会を失ったということ。

「消えた年金」問題とスケールこそ違えど、
同じように行政のミスで被害を被り、
さらにこちらは「金銭」だけではなく
「時間」と「機会」も失ったわけですから、
この問題に巻き込まれた受験生の痛みたるや、想像できません。
人生には様々なチャンスがあるとはいえ、
若い時代の一年は非常に貴重ですし、
不合格になったことで大学進学や、
希望の就職を諦めた人がいるとすれば、
それは大きな機会損失になったでしょう。

今日、文部科学省から、この件に関する概要を聞き取りました。
主観的な感想を申し上げれば、
おそよ真摯な反省と、懸命の対応とは言いがたいものがありました。
「平成17年度前期試験受験者の住所を破棄してしまった」という、
杜撰な管理に留まらず、
時間と機会の損失を重大なものと捉えない態度は
許しがたいものがあります。

教育を担当する省庁が、
このような対応であることも残念な限りです。

蛇のようにしつこく、しぶとくこの問題を取り上げ、
少しでも被害にあわれた受験生の為になるよう努力したいと思います。


まずはご一報。

質疑後、経過をお話したいと思います。