いきなりの大臣交代が行われた内閣改造だが、
目玉人事は舛添厚生労働大臣と、
増田総務大臣だろう。

(内閣改造に際して噂はあがっていたものの、
実際に就任されたのには驚いた。
内閣改造の前々日、大曲の花火でご一緒させて頂いたのだが、
普段と変わらぬ増田さんであった)

いわずもがな、増田大臣は、前岩手県知事である。
知事時代の活躍は全国が注目するところであった。
いわゆる改革派知事として、
ローカルマニフェストの浸透や、
国に対する積極的な発言などが注目されていた。

自民党の内閣とはいえ、
増田総務大臣には期待している。
私が議員になってからの歴代総務大臣は、
麻生、竹中、菅と実力者揃いであるが、
その中でも群を抜いて地方の実状に精通されている。
その現場感覚を生かし、地方行政の発展に寄与してもらいたい。

ただ、その道は簡単とはいえないだろう。
情報通信分野は別として、
地方分権に関しては、およそ向かうべき結論は明らかになっている。
どの党であろうとも、
「霞ヶ関の権益を廃止・縮小し、地方自治体に権限付与する」ことは一致している。
仕事は、権力闘争そのものと思う。
だからこそ、
極論を言えば、如何に精緻な答えを出すか、というよりも、
如何に実行するか、が今問われている。
知識よりも改革断行力だ。

霞ヶ関の抵抗は激しい。
その激しい抵抗を跳ね返すのは、知識よりも政治力ではないだろうか。
その点において、前任者であった菅前大臣には力があった。
知識は増田新大臣ほどお詳しくなかったが、
政策の是非は別として、
強力な政治力をもっていたことは周知のことであろう。

岩手県知事として実行力は目を見張るものがあった。
その時のやり方が、大臣としても発揮できるだろうか。
元々建設官僚であったことを踏まえ、
霞ヶ関との闘い方に注目したい。