改めまして、障がい福祉サービス「就労継続支援」を行っている「NEXT SPACE」を運営しております、寺嶋秀彰です。

 

 

 

▼ヘコまないのは難しい

 

 

僕は、たびたび「寺嶋さんはヘコむこととかあるんですか?」と聞かれるんですが、これに関しては、そりゃヘコむことはあります。

 

 

たびたびそう言われるので、あまりヘコんでいるように見えないのかわかりませんが、人並みにヘコみます。

 

 

とてもしょうもないことでヘコむこともあります。

 

 

「今日のあの人へのあの言葉、もう少し違う言い方があったんじゃないかなぁ」とか、けっこう気にしいです。

 

 

そんな風にいうと、とてもストレスを感じてそうに聞こえるかもしれませんが、僕はそこまでストレスを感じていないと思います。

 

それには、「へこんでからの立ち直り」または「へこんでからの切り替え」が、過去に比べてとても早くなったからかなと思っています。

 

 

多分、僕の印象ですけど、「メンタルが強く見える人」には2つあると思っていて。

 

 

一つは、「そもそもメンタルが強い人」です。

 

周囲の言葉や、自分の行動などで、そもそもあまり落ち込むことがない、または少ない。

 

しかしながら、これもさらに2つあると思っていて。

 

「もともと天然でメンタルが強い人」と、「色々な経験をしてきて、メンタルが強くなった人」です。

 

 

で、「メンタルが強く見える人」のもう一つが「切り替えが素早い人」です。

 

実際はヘコむんですが、切り替えが早い分、周囲にはそんなにへこんでいるようには見えない、というパターンです。

 

 

僕も「メンタルが強いな」という人とお会いしたことは何度かありますが、肌感覚としては「もともと強い人」は極々一部で、多くの「メンタルが強く見える人」というのは、「様々なことを経験した結果強くなった人」と、「切り替えが素早いので一見メンタルが強く見える人」ではないかなぁと感じています。

 

 

 

▼ヘコんでからが勝負

 

 

 

個人的には「へこんでいる場合じゃない」という考え方やノリは好きだし、そういう風にありたいとも思うのですが、なかなか人はそんなに強くはない、という風にも思います。

 

 

僕も昔はへこむとかなり引きずるタイプで、一つのことをウジウジと考えて何日、何週間も引きずる人でした。

 

 

しかし、実際に引きずることで何かいいことがあったかというと、おそらくありませんでした。

 

 

しかし、ヘコまないというのは無理な話で。

 

 

あれやこれやと試行錯誤しているうちに出会ったのが「レジリエンス」というものでした。

 

 

レジリエンスを簡単にお話しすると、「弾力」「復元力」などの意味があり、イメージ的には「竹」のように「負荷がかかってもしなって折れない」「しなった状態から元に戻ることができる」という感じです。

 

 

つまり、これをメンタルに置き換えると、「負荷がかかって、グーっとへこんだりはするんだけど、折れることがなく、しっかりと元の状態に戻ることができる」みたいなことです。

 

 

大切なのは、「曲がってはいけない(へこんではいけない)」ということではなく、「折れないこと」です。

 

 

なので、鉄のように、一見すると硬いものでも、一定以上の負荷がかかると、しなりもせずにいきなりバキッと折れてしまっては、復元、回復が難しい。

 

そうではなく、しなやかに負荷を受け止め(受け流し)、しなった状態から折れずに復元、回復する力が大切ですよと。

 

 

なので、僕は「別にへこんでもいいんじゃない?人間だから。」と思います。けれど、「折れずに、しなやかに」いることが大切で、「へこんでから、折れずに回復する」という能力が大切なんじゃないかなぁと思います。

 

 

そして、その「レジリエンス」というものは、何も「個人で持っていなければならないもの」ではなく、「周囲の環境で構築されていればいいんじゃないかな」と思います。

 

 

へこんで、どうしても自分一人で気持ちの整理ができず、怒りや不安でしんどい時、話を聞いてくれる人や、力を貸してくれる人が身近にいれば、それでいい。

 

そして、自分も誰かにとって、そのような存在になれていたら、なおよし。

 

 

そんな風に考えることができるようになってから、僕の心はずいぶんと楽になった気がします。

 

 

 

▼まとめ

 

 

「強さ」とは、何も「ヘコまない」ということだけではなく、「へこんでも折れない」「へこんでも助けてくれる人が周りにいる」ということも、強さではないかなぁと思います。

 

こういう障がい福祉の業界にいると、たまに「甘やかしてはいけない」と、ご本人が困っていても「放置」することを良しとしている支援者を見かけます。

 

わかるんです。「自立して欲しい」という思いから「自分で乗り越えて欲しい」と考え、なるべく手出しを控えようとする気持ち。

 

しかし、その結果「放置されて、心がぽっきり折れました」では本末転倒です。

 

 

「自立を促す」ということが目的であっても、その人の心がぽっきりと折れないように、配慮が必要なんです。

 

 

へこむな、とは思いません。

 

しかし、心が折れないよう、しなやかに、時には周囲の人の力を借りながら、「へこんでからの復活」が大切だと思います。

 

自分も誰かの心が折れそうな時、そっと背中を支えてあげられるような、そんな人でありたいと思います!