タダシ君 | 寺岡呼人 オフィシャルブログ 「LONG GOOD-BYE」 Powered by Ameba

タダシ君

誕生日前夜、40年前の幼なじみから「誕生日おめでとう、こんな時にと、思ったけど、知らせておきます。タダシ君が昨年11月に亡くなったそうです」とメールがきた。
タダシ君は、6歳の時に、生まれた岡山県の津山で出逢って、
広島に引っ越した後も、おじいちゃんの家に行くたびに遊んでいた友達だった。
 
中学生ぐらいから、受験が始まって、津山に行っても遊んでくれなくなり、徐々に疎遠になった。ジュンスカでデビューしたあと2度ほど会って、それ以降は会っていなかったけど、風の噂で「ひきこもりになってるらしい」と聞いていた。
 
大の親友だったけど、大人になって生活もある中で、いきなり訪ねることもできず、そのままだったけど、時々「どうしてるかな」と気になってはいた。
 
そして突然の訃報。
瞬時に、あの裏山で僕の名前を大声で呼びながら、転げ落ちて鼻血を出した腕白な彼を思い出した。
 
その幼なじみのメールを見たのが電車の中で、とても騒がしい女子高生達が、恋愛の話や好きなタレントの話をしていた。そのギャップが余計にその事実を重くした。
引きこもって、そのまま人生を終わらせた友人と、楽しそうな女子高生。
 
人生とは何だろう。
僕と彼の差はなんだろう。おそらく、宇宙からみたらほんの少しの違いしかないはず。
彼の訃報を聞いても、僕はそのまま仕事に向かい、友達と楽しく飲んだ。
ひどい男なのだろうか。
 
幼なじみのメールに「お誕生日に寄せて、私たちが生きていることを感謝し

タダシくんのご冥福をお祈りしたいです。」とあった。

そうなのだ、僕たちの人生は続いていくのだ。

 

それを胸に刻みながら、前に進むことが「生きる」という事なのかもしれない。