小三治 | 寺岡呼人 オフィシャルブログ 「LONG GOOD-BYE」 Powered by Ameba

小三治

昨日は噺家、柳屋小三治を観に行った。
もう三度目になるのかな、とにかく映画『小三治』を観て以来のファンで、それを薦めてくれた母といったのだが、言ってみれば超ビギナーの落語ファン(笑)。

何にしろ、小三治、談春、志の輔しかまだ観てないぐらいの僕だが、日本のロックで一番欠落してる“伝承”を恐ろしいまでに感じる。

もう伝説の噺家が何人も亡くなって、その人たちの「噺」を自分なりに昇華させ、また次の世代へ。
小三治でさえ、70歳だ。しかし、当たり前のように舞台に年中立っている。
そして前座でしゃべる若手が、小三治のお茶をセットして、座布団を裏返して礼を尽くす。そんな所作をずっとずっと繰り返してきた。

そういう伝統や、スタイルをずっと格好悪いと思ってきたし、それを壊すのがロックだと思ってきた。しかし、こうプツプツと分断されるような音楽シーンを何年もみてると、落語の世界が羨ましくもなるってーもんだ(江戸っこ風)。

派手な照明や音響もなく、譜面や、歌詞カードをおくわけでもない。
あるのは、噺家ひとり。
落語家が台本見ながら話してたら、かなりひくもんね(笑)。

とにかく死ぬまで、一つのことを続けられたらそれはとても幸せなことだろうな、ということと、そうなりたい!と強く思った夜だった。