「半年ほど前から十二指腸潰瘍(かいよう)で困っていたんですけど、
ここに通うようになって、腰とかといっしょにお腹も楽になったんですよ」
「ほんとうですか。お役に立てたのなら、うれしいです」
「体がポカポカ暖かくて、たぶん、いま検査をしたら、
潰瘍がなくなっているんじゃないかなと思うくらいです」
「最初からそういう効果をねらっていたわけではないのですが、
体のねじれやゆがみを矯正していくと、そんなふうに、
思いがけない効果があらわれてくることがありますね」
開業して18年になりますが、十二指腸潰瘍が良くなったと言われたのは初めてでした。
でも、施術をしているうちに、お腹の調子が良くなってくることはめずらしくありません。
先日も、別の患者さんが、施術が終わったとき、
「体を傷めてからお腹がすく感じがしなかったけれど、
久しぶりにお腹がすいた感じがする」とおっしゃっていました。
次に来られたときに「それまで食べないといけないから食べていた感じだったのが、
食べたくなって食べられるようになった」とうかがいました。
ケガをしたり、血流の悪いところがあったりすると、それを修復させようとして、
体を緊張・興奮状態にさせる交感神経が活発にはたらきます。
それに反比例するように、体をリラックスさせたり、
胃腸を動かしたりする副交感神経のはたらきがおさえられ、
消化器官に行く血液も少なくなり、食欲も落ちます。
ところが、ケガが良くなったり、血流の悪いところがなくなったりすると、
交感神経のはたらきが弱まります。
かわりに副交感神経が活発にはたらいて、体はリラックスし、
消化器官に行く血液が増えて、胃腸が活発に動き出します。
施術中に、お腹がグルグル、キューキュー鳴り出す患者さんもいらっしゃいます。
「いやだ、かっこ悪い」と恥ずかしそうにされることがあります。
でも、どうぞ恥ずかしがらず、どんどんお腹を鳴らせてください。
私は、患者さんの体が良くなっている証だと、いいほうに解釈していますから。
「でもね、先生、困ったことに・・・」と、十二指腸潰瘍が良くなった患者さん。
「ど、どうか、しましたか?」
「今度は食欲が出てきて、太ってしまいそうなんです。何見てもおいしそうで・・・」
「そ、それは・・・σ(゚_゚i)(汗)」
寺田接骨院 寺田弘志