骨粗鬆症(こつそしょうしょう)をご存知ですか?
骨からカルシウムが抜けて、す(鬆)が入ったようになり、もろくなってしまう状態です。
骨にカルシウムなどがどれくらいつまっているかを「骨密度(こつみつど)」と呼びます。骨密度は年齢を重ねるとともに徐々に下っていきます。成人
(20~44歳)の平均を100%として、骨密度が70%未満になると、骨粗鬆症と診断されます。(80%以上は正常、70~80%は「骨量減少(要注
意)」とされます)
骨密度が下がっただけでは、痛くも何ともありませんから、本人にも自覚がなく、油断しがちです。
しかし、骨密度が低いと、ちょっとしたことで骨折したり、背骨が曲がってきたりします。
背骨が曲がってしまうと、内臓の調子が悪くなったり、歩きにくくなったりします。
最悪、寝たきりになってしまうこともあります。
いったん骨粗鬆症になると、そこから回復することはむずかしいというのが医学常識です。ですから、通常は「治療をして、骨密度が下がらないようにしましょう」という医師の説明があります。
ところが、当院の患者さんで、その医学常識をくつがえしてしまった方がいらっしゃるのです。
図をご覧下さい。2年前、1年半前、1年前、現在の骨密度の測定結果です。
図の中の4つのグラフを比べると、時間の経過とともに、骨密度を示す*のマークがだんだんと上がっていっているのがわかります。
データでは、64%→71%→73%→76%と骨密度が改善していらっしゃいます。
つまり、はじめは骨粗鬆症でしたが、2回目以降は骨量減少(要注意)の範囲です。今では、あと4%で正常というところまで戻られています。
これはもう奇跡!
計測された大島整形外科の大島先生も「計り間違いじゃないか」と首をひねられていたそうです。
私も後で大島先生に、こういうケースが他にもあるのかたずねましたが、骨粗鬆症の薬を投薬していても、こんなに改善したケースはめずらしいということでした。
改善している理由は何でしょう。薬の効果もあるでしょうが、一番の理由は、毎日のようにコツコツとリハビリをされていることだと思います。
一回や二回、曲がった背骨を矯正しても、何日か経つと元のように曲がってしまうことがあります。ここで「やってもいっしょだ」とあきらめてしまう人が少なくありません。
けれども、間隔を空けずに根気強く矯正を続けていると、本当に少しずつですが、曲がった背骨がまっすぐになってきます。すると足腰の痛みが減るので、運動
量が増えます。運動量が増えると、骨密度が上がってきます。骨が丈夫になると、背骨が曲がりにくくなり、リハビリの効果が持続されやすくなります。
毎日の少しずつの積み重ねが、こういう良い循環を生み出して、奇跡を起こしたに違いありません。
背が低くなったとか、姿勢が悪くなったとか、骨粗鬆症が思い当たる方はぜひ一緒に治しましょう。
寺田接骨院 寺田弘志