おはようございます。かゆみ地獄から帰ってきた柔道整復師:寺田接骨院の寺田です。
最近、「ひざを固定されて、余計に具合が悪くなった」という話を、何人かの患者さんから伺いました。
どうやら、軽いひざの痛みでも、副子(ふくしという添え木のようなもの)を当てて、ひざを動かないようにする治療をされている先生がいらっしゃるようです。
たしかに、捻挫や骨折をしたときに、患部を固定することがあるのは、皆さんもご存知のことと思います。
そうすることで、不安定になった患部が固まり、断裂した靭帯がくっついたり、折れた骨がくっついたりします。
そういう治療が必要な人には、固定というのは適切な治療です。
しかし、そこまででもない患者さんに固定をすると、関節の機能などがかえって低下し、余計に具合が悪くなることがあります。
もちろん、健康な人に、固定をすることは、百害あって一利なし!と断言できます。
固定は、怪我をした人には有効ですが、健康な人には有害なのです。
1週間でも関節を固定したら、関節の動きが悪くなります。
副子を当てるほどではない人にはどうなのかというと、怪我の程度に応じて、固定の程度も変えなければなりません。
固定がまったく要らない人もあれば、テーピングなどでゆるやかな固定をしたほうが治りが早い人もいます。
テープの枚数(何枚重ねるか)、テープの素材(よく伸びるとか少し伸びるとか伸びないとか)、テープの長さや幅も、怪我に合わせて調整します。
そういう調整なしに、必要以上の固定をすると、余計に具合が悪くなるのです。
もちろん、固定が必要なのに、固定をしないでいても、治りが悪くなります。
初めから副子で固定が必要だとわかるケースもあれば、テーピングでは良くならないため、途中から副子を使うというケースもあります。
テーピングをする際、お勧めなのは、痛い方向にだけ動かないように固定するテーピングです。
これなら、関節の動きが悪くなることを、最小限に抑えられます。
日常生活に支障が出なければ、テープは少ないほど良いのです。
余計なテープを貼ると、かえって痛みが増したり、腫れたりすることさえあります。
少ないテープで効果をあげるのが、上手な先生です。
患者さんのために、できるだけ固定を最小限に留めているのです。
治るにつれて、患部に貼るテープの量が減ってくるのが、自然の流れです。
けちっているわけじゃないんですよ。