８月８日（木）に開催した『どうぞのいす』読書会のレポートをお届けしています。

８月の読書会『どうぞのいす』レポート①はこちらをご覧ください。

８月の読書会『どうぞのいす』レポート②はこちらをご覧ください。

８月の読書会『どうぞのいす』レポート③はこちらをご覧ください。

どうぞのいす (【2歳・3歳・4歳の絵本】)

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「すごく好きな絵本で、保育士のときには子どもたちからも大人気だった。温かい気持ちになる。オレンジや赤、ピンクといった夕焼けっぽい色が好きだ。子どもたちと一緒だと、子どもの表情のほうに目が行くので、深くは読まない。受け取り方は子ども次第なので、こちらが感情を入れすぎても良くないと思っていた。

今回読み返して、自分が欲していたものが詰まっていることに気づいた。皆が後先を考えずにやっているのに、皆にとって良い形になっている。そういうふうに過ごしたい。相手のためにと考えるのではなく、最初にまず自分を満たすことで、相手を満たす良い流れになる。最初から相手を満たそうとしていたら、違ってしまう。いつも相手ありきになってしまうが、自分を満たしても相手を満たせる。そう学ばせてもらったから、この絵本が好きだったんだと気づいた。

最終的に100%にならなくても80%には……と思って頑張ってしまうが、たとえ100%になったとしても、どう捉えるかは相手次第で、相手に自由がある。根を詰めてやらなくて良いと思う。思った結果にならなくても、別の良い結果につながるかもしれない。

青い鳥は絶対に必要だ。置かれたものが変遷していくが、流れを知っているのはこの鳥しかいない。最後の挿絵の木の絵が好きだ。『秘密を知っているのは私たちもだよ』と読者と共有しているようで、そこに作者の意図を感じる。

どんぐりは硬いから食べなかったという意見が出たが、その考えはなかった。青い鳥は、椅子に置かれた物が変わっていくのを知っているので、パンも別の物に変わるとわかって、安心して最終的に食べたのではないか。人の物だから食べてはいけないと思っていたけれども、全体の流れを知っているからこそ、食べることができたのだと思う」

「子どもたちは、『食べちゃだめだよ』と言って面白がる。『どんぐりは栗の赤ちゃんと違うよ』とか。子どもたちも『僕たち知ってるよ』という気になれる。友だちに優しくできない子がいたときに、優しくしてほしいと思って読むけれども、それだけではなく、そういう楽しみ方もできる。お説教っぽくならずに読める。読んであげることで、子どもにすぐに変化があるわけではないけれども、何度も読んでいると『どうぞ』という言葉が出てくる。自分ばっかりの子に『どうぞしてみたら』などと言ってイメージをしてもらいやすい。何かのきっかけになりやすい」

８月の読書会『どうぞのいす』レポート④