私は『壁抜け男』を観た衝撃でCITIZENグループから脱サラして劇団四季に入団しました。
そして入団して二年ちょっとでその『壁抜け男』の仲間になる幸運を引き寄せました。
そして出会った丹さん。
その衝撃が私の役作りに拘る姿勢を生み出してくれました。
『ライオンキングのラフィキ』や『壁抜け男の娼婦』等物凄い個性を持った役作りをされる丹さん。
私は丹さんは四季の宝だったと思います。
ああ言うアクターがいるからこそ舞台が生きてくる。
壁抜け男旅公演の移動で隣に座った時の事です。
丹さんはその誰よりも重い石のようなスーツケースからノートを取り出しました。
チラッと見たら、スーツケースには書類が沢山。
そう、丹さんはもう何千、何万回と見ては確認してきたで有ろう娼婦の関係書類をずっと持ち歩いて、移動の際もずっとずっと勉強し、考え続け、自分の血となり肉となるまで戦っていました。
私たちの旅公演はボテと言う荷物を入れてトラックが運んでくれる入れ物が有るのに、そこに書類を入れるようなことはしません。
12人(当事)しか出演者の居ない壁抜け男。
ただでも圧倒的な力量の差の有る丹さんの横でスポーツ新聞を読んでいた私は、横で悩み、学び続ける丹さんの姿に触れ変わりました。
光枝さんと石丸さんが大体一緒の楽屋でしたが、ある時その前を通りかかると中から
『なあ、丸ちゃん、我々も丹さん位拘ろうな』
と丸さんに言う光枝さんの声が聞こえて来ました。
光枝さんも丸さんもとんでもなく魅力的で実力も有る俳優なのに、二人がそんなことを話すほど丹さんは凄かった。
劇団四季に入って良かった事の一つは、一流に出会える事。そして一流は普通の感覚では生きていません。
小林さんに続き、壁抜け男で出会った偉大な才能丹さんとの貴重な思い出です。
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