今日は仕事でアイオワ州の学校関係者(中学・高校)と話す機会がありました


私が働く会社で開発した、学力テストを簡単に行うソフトウェアのトレーニング(ソフトウェアの使い方、用い方などを説明するセッション)があり、そのソフトウェアを購入した学校関係者(教員&校長先生)が参加してくれました。


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このソフトウェアは、先生が学力テストを作らずとも既にテストがあり、紙でなく、ソフトウェア(Ipad、IPhoneなど)で生徒がテストをうけ、テスト終了後、自動的に生徒のスコアーが採点されるため、解答用紙を回収して採点する・・・などの手間が省かれ、テスト終了直後に生徒と答え合わせが可能です。

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先生方、そして(かなり行動力あふれる)校長先生と皆熱心で、学校現場でこのソフトウェアを使って学力テストいかにうまく活用させるかがどれほど重要かしみじみ実感しました。


ところで、このトレーニングセッション、さすがアメリカ、日本と違うなあーって実感したことを言うと、


1.このアイオワ州の学校では、全生徒がIPADでテストを行う


聞いた瞬間びっくりしましたが、この熱心な校長先生は(おそらく)実力で特別予算を獲得したみたいで、そのお金で全生徒がIPADを使って授業を行うことができ、そりゃ凄い!!と思いました。


ちなみに、アイオワ州全体ではないので、この校長の力量大したもんです。


2.州規模のテストの意義


実は、アイオワ州は他州と異なることがあり、それは


アイオワ州・州規模で毎年行うテストがない


ということ。


No Child Left Behind法でアメリカ全州テストを行うことになっていますが、この州は、少々特殊で、基本(もちろん例外はありますが)小学三年生で行うアイオワ州・基礎力テスト(Iowa Test of Basic Skills)、高校生の時に行うIowa Test of Educational Developmentといったテスト形式で、毎年学力テストを州規模で行っていません。


つまり、


毎年学力テストを州規模で行わないため、学力向上(学力が下がったか、上がったか)は分からず、他の学校と比べて自分のいる学校の学力状況を把握できない


ということになり、逆に、


アイオワ州は、小学3年生で基礎学力を測り、その後、高校生になってK-12で身に付けさせる学力基準を上回っているかどうか、ということだけ判断している


という学力テストの役割が(私にとっては)必要最小限に押さえている方向性が理解できます。


というわけで、それを踏まえた上で、今回参加された先生方の話を聞くと、


3.ソフトウェアを通して学力テストの推移、他学校との学力テストにおける連携を図る


ということをいかに行っていくか、真剣に聞いていました。これは具体的に言うと、


このソフトウェア、先生がネット上にあるテストの問題を自由に使うことができるだけでなく、もしそのテストの設問のいくつかを使いたくない時、勝手気ままにそれらの設問だけ取り除いてテストをすることが可能(逆に、自分で設問を作り、それを付け加えてテストを行うことも可能)。


さらに、これらのテスト問題を学校レベル、School Districtレベル、州規模レベル・・・と共有したい範囲を自分で指定できます。もし、同じ学校の同じ教科の先生が別々のクラスで同じテストを行った場合、良い設問だと分かった設問をお互い(ネットを通して)共有し、良い問題だけを選び、より質の高いテストを行う事が可能です。


つまり、学力テスト結果はもちろん、(設問といった)学力テスト自体をも共有することで、他の学校、他の学区との連携を深めていきたい、ということを強くおっしゃっていました。


<最後に>


このトレーニングセッション、他にもいろいろあったのですが、ソフトウェアの使い方がメインだったので、省略しますが、1つ思ったのが、


日本とアメリカのソフトウェアに対する方向性の違い


です。私の独断と偏見で言わせてもらうなら、


日本はソフトウェアを学習教材(英単語・漢字・古文単語などを沢山覚えるため、など)に応用しているケースをしばしば耳にする


逆に、


アメリカは、日本ほど学習教材でソフトウェアを用いるケースは(あるにはありますが)それほどメジャーではなく、学力テストにソフトウェアを応用しているケースが多い


という、ソフトウェアの応用の仕方が基本的に異なります


アメリカの場合、暗記するということに対してかなり否定的な見解(又は偏見)があり、どうしても語彙力を増やすソフトウェアなどは流行りません(あるにはありますが、私の周りの友人で使っている人、一人もいませんし、流行っているという話、テスト会社で聞きません)。


逆にテストを行うことに関しては、コンピューター式テストをアメリカ半数の州政府が導入していたりと、テストを行う上でソフトウェアを用いることは、アメリカ連邦政府を含み、皆積極的です。


というわけで、私個人としては、学習教材だろおうと、テストだろうと、応用できるものは全て応用した方が良い!!と信じているので、日本もアメリカのようなテスト形式真似たら良いのになあ・・・って思ってしまいました。