今日は、2009年6月11日に書いて以来のTest Accommodationについて。

実は、これに関するペーパーが、今年4月に行われるカンファレンス(National Council on Measurement in Education)で受理されてて、そのペーパーに自分の名前が急遽載ることになったため、このネタ思い出したのです、はい。

でも、このネタ、去年の6月以来の更新とは・・・(+
*)

で、この日本語に訳しづらいTest Accommodation。前回も書きましたが、Accommodationの「適応、順応、調整」ってのがポイントで、要は「テストを受ける生徒の状況に適応した、より(エラーの少ない)テスト」ってことです。

前回(つまり2009年6月)のブログでもかるく触れましたが、アメリカのテストでは、数学なら数学の学力を正確に測ることが目的です

例えば、

もしスペイン語を母国語のように話すヒスパニック系の生徒が、苦手な英語で書かれた設問を正しく理解できなかったため、(スペイン語で書かれたあれば解くことができた)数学の問いが解けなかった場合、それは

異なる言語のせいで、生徒の数学力を正確に測ることができなかった・・・つまり、エラー


という結論に達します。数学のテストは数学力を正確に測ることが目的で、それに関係ない言語力(または国語力)が数学力を正確に測る邪魔をした(つまりエラーが発生)・・・という考えで、多民族国家・アメリカならではの発想です。

というわけで、今回受理されたペーパーが、その辺にスポットを当てた論文で、ある州政府の生徒全員を対象に行った州規模のテストを分析しています。

具体的にいうと、その州内にいる、英語を母国語にしている白人と、スペイン語を母国語にしているヒスパニック系アメリカ人の生徒の比較し、通常のテスト と、Extended Time、つまり時間を少々延長したテストの二つを行い、数学のテスト結果が同じか、また違うのか?っていう分析をしています。

この研究では、スペイン語を第一言語とするヒスパニック系アメリカ人は英語で書かれた数学の問題を読み解くのに、(英語を母国語とした普通のアメリカ人よ り)時間がかかる・・・という前提で、もし時間を延長すれば、(英語を母校語とする生徒はもちろん)ヒスパニック系の生徒の数学力もより正確に測ることが できるのか?ということを分析しています。

というわけで、次回、この分析結果を述べて、この研究をより深く考察していきたいと思います。