テクニカルレポートのドラフト作りが終わり、次の仕事がTest Accommodationっていうトピックに関する過去のリサーチを片っ端から調べる仕事(アカデミックな世界では、こんな作業をLiterature Reviewと言うけれど)。


 

今日は簡単にTest Accommodationって何か?を説明したいと思います。


 

まず、このTest Accommodation、(いつもながら)日本語に訳しづらい単語ですが、Accommodationは直訳すると、「適応、順応、調整」など、要は何か物事に不備がある、またはその状況や環境にそぐわないことがあるから、調整したりして、より良いものにしよう、または適応していこうっていう単語。つまり、その適応させる対象が学力テストで、


 

テストが、ある一定の状況と照らし合わせた時、不具合、または改良する余地がある所があるから、その状況に合わせて、調整して、より良いテストにしましょう

 


っていうお話し。


 

といっても、これだけではぴーんとこないので、一番典型的なTest Accommodationを挙げると、それはExtended time(延長時間)で、テスト時間を延長すること。


 

実は、この背景は、


 

アメリカにいる、(英語を第一言語、または母国語としない)ヒスパニック系に代表されるような移民(*こういった人たちも市民権を持ってるアメリカ人です)の子供たちは、英語のテストはともかく、(数学、Scienceといった)他の科目では、言葉の問題(=言葉の壁=Language Barrier)等から、テストで適切な学力を測定されていないため、こういった生徒の学力をより正確に測定するために、(テスト時間の延長のような)Test Accommodationが使用される


 

というわけです。


 

こういった発想、ある意味アメリカらしいなあ・・・って思いますが、確かにこれ、その通りで、代表的なヒスパニック系アメリカ人は、本当に英語ではなく、スペイン語ばっかり使ってます。アメリカで生まれ育っているので、学校教育は英語で受け、典型的なバイリンガルですが、英語で教育を受けていても、実はスペイン語の方が得意・・・っていう生徒、かなり沢山います。


 

私が昔、アシスタントで地元の公立高校(三校ほど)の授業のお手伝いしてた時も、沢山のヒスパニック系の生徒を指導しましたが、ヒスパニック系同士なら、普通にスペイン語で話し、白人といったアメリカ人に話しかけられたら英語で答える、そんな風景が日常茶飯事でした。勉強で分からない時も、スペイン語で説明して理解している場面も沢山目にした記憶があります。

 


というわけで、こういった環境になると、英語のテストがともかく、数学や他の教科では、本当は理解しているが、テストの問題が、難しい英語で書かれてあるため解けなかった、ということが結構あります。


 

そういった生徒の学力は、英語の学力が低いならば、それは仕方ありませんが、他教科になると、(アメリカ的発想でいう)その生徒の学力が正しくテストで測定されていない・・・ということになります。

 


それ故、様々なTest Accommodationの方法を用いることによって、より正確に学力を測ろう・・・というのが、今日の話しです。



 

次回以降、ではどんなTest Accommodationがあり、アメリカの学力テストでどのように使用されているかについて述べていきたいと思います。