生き残る虫 | 寺田万里子オフィシャルブログ「MARISM」Powered by Ameba

生き残る虫

やわらかいせんべいもせんべいだと思える勇気が欲しい寺田です。

ところで、皆さんは幼き頃、
夏休みの宿題で「昆虫採集」はありましたか?

寺田は、
昆虫採集なる宿題は出ませんでしたが、
確実に昆虫を採集しまくる質でありました。

カブトムシにクワガタ、
蝶々に蛾、
てんとう虫にカマキリ…

とにかく、
ゴキブリやハチ等の危険信号を発する虫以外は捕まえてはかごに入れ、
かごに入れては眺め、
眺めては放ち…
夏休みには、
とにかくそんな事に夢中な日々を送っていました。

しかし、
そんな虫好きの私が本日購入した

「虫捕る子だけが生き残る」
養老孟司/池田清彦/奥本大三郎

という本に、衝撃的な事が記載されていました。


「最近の小学校は夏休みに昆虫採集の宿題を出さない。
そういうガイドラインが文部科学省から出ているらしいんです。
虫を殺しちゃいけないというわけ。
だから、今流行っているのはセミの抜け殻収集ですよ。
これは、殺さないからね。
どこにセミの抜け殻が一番多かったとか、環境調査みたいな事をしている。」

え…えぇ…

さらに、

「虫捕りをしている子を見て「自然破壊だ!」という人もいるから。」

とある。
そんな馬鹿な…
と思い、養老さん達の意見に深く同意をする寺田は、
一昔前の人間の部類に入るのでしょうか。

洗剤を大量に使って洗濯、食器洗いをしている人々が、
車を乗り回して排気ガスを大量放出している人々が、
殺虫剤で虫を平気で意味も無く殺す人々が、
昆虫採集で自然破壊を叫ぶのであります。

おったまげの時代です。

確かに、
虫を捕まえる事は、
虫にとっては迷惑な話で、
時には命さえ落としかねない恐ろしい行為ですから、
確かに自然破壊とも言えますし、
恐ろしく酷い行為だとも言えます。
虫を捕まえるだけではなく殺してしまうのであれば、
それは正しい行為とは言えませんから。

しかし、
小さな虫が必死で生きるその姿を見て、
人は命の尊さを知り、
魚や牛等、普段食べる生き物に対しても、
命の想像が生まれ、
その命に感謝することを知るとも言えるのではないでしょうか。

そうやって、自分以外の他者の命への想像力を生むのではないでしょうか。

大袈裟ですが、
きっとこういうことを、
無意識に虫捕りをしながら学んだのかもしれないと思ったりするものです。

でも、やっぱり、
虫、捕まえちゃダメですかね…

昆虫採集はやはり、
いけませんかね…

捕まえるだけ…捕まえたらすぐに自然に返しますから…

子供達には昆虫採集をして欲しいななんて思うのでした。