特に用事がない電話 | 寺田万里子オフィシャルブログ「MARISM」Powered by Ameba

特に用事がない電話

「特に用事がない電話」が久々にかかってくる。

これ、こんなに嬉しいものだったんですね。


ふと気づけば、
大人になるにつれて、いわゆる「用事を済ませる為」の電話が増えてきました。

そして、その用事を済ませる為に、
まるで伝言ゲームのような情報のやり取りの電話が行ったり来たりしています。

内容の正しさや意味の有無、
そんなことばかりが重要とされるような電話。


気がつかなかったんですが、
知らぬ間にそんな電話の渦に巻き込まれていたような気がします。

これは、たぶん、私だけでなく世の中の多くの人がそうなのではないかと思います。


思い返せば・・・

「何気ない生活の余白を、電波を通して共有する・・・」

みたいな、そういう曖昧でやわらかな電話って減りましたね。


人と会った時の会話もそう。


なかなか普段友達とゆっくり会う時間がなかったりすると、
久しぶりに会った友達と猛烈に今までの空白を埋めるように、
「あんなことあった」「こんなことあった」って、
いろんな情報を共有するような会話をすることばかりです。

たとえば、
同じ景色を眺めながらお互いに何かを感じ、
言葉を交わすというこというような、
生きている今という空間をただただ共有するような会い方はしなくなった気がします。


そう、
もっと細かな感情のひだをたくさんの友達と共有していたような気がしています。


大人になるって、
不思議です。

そういう大切な時間を、
削るようにして生きるのが上手になりますから。


そして同時に、
大切なものや、
大切なことを、
いとも簡単に忘れて生活することが出来たりしますから。


久しぶりに、
昔友人からもらった本のプレゼント、
ントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ作「星の王子様」を思い出しています。


大切なものは目に見えないから、
いつも見えないものにそっと触れる気持を忘れないようにしたいな・・・と思うのでした。


さぁさ、
ベランダ菜園の「ネギ」にお水をあげようっと!

セッセッセ!