
火の粉
雫井脩介
『私は殺人鬼を解き放ってしまったのか?』
一家惨殺事件
裁判長をつとめた梶間勲
2年前に無罪判決を下した男が隣に引っ越してきた、そしてそこから奇妙な事件が身の回りで起こり始める。
彼はやはり
悪魔の殺人鬼なのか?
それとも無罪の子羊なのか?
そんな展開が繰り広げられる作品。
一風変わっているのは
主人公の勲が、刑事でも探偵でもなく裁判長。しかも元裁判長で現在は引退してる身。
そして、巻き込まれる勲の家庭では介護、子育て、嫁姑、親戚問題、夫婦問題。
と、どこにでもある家庭事情がふんだんにおりなして
最初は何か…家庭問題の話かな?
と勘違いするほど。
そう、丁寧に家庭の事情を描いていくからこそ。そこに悪魔が潜む。
そういった、展開がより引き込まれる。
主人公の勲もすでに一般の家庭の長。
そうなんです
この話は探偵や刑事が華麗に奮闘し事件を解決していくのでなく、法に関わった過去があるとはいえ平凡な家庭が『殺人事件』という悪魔と戦う話。
そして、平凡な家庭だから・・・
その結末が素晴らしい。
ラストが感動。
雫井さんの作品は引き込まれて読んでしまう( ・∇・)
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