好きな小説ジャンルでも1,2を争うのが刑事物ですが、その中でも横山秀夫さんの作品はお気に入りです本


男臭い作風は共通していますが、様々なタイプの刑事が登場し、それぞれプロフェッショナルでストイックな姿が魅力的です。


普通な男子の普通なブログ-臨場


今回の「臨場 」はこんなお話・・・


「臨場」とは事件現場に臨み、初動捜査に当たることを言います。捜査一課検視官の倉石義男は、死者が発生する事件において、現場や死者の状態からそのメッセージを感じ取り、様々な難事件の真相を鮮やかに導き出し、周囲からは「終身検視官」・「校長」と呼ばれ、敬われ、そして畏怖されています。今作は、その倉石を中心とした全八編の短編小説。


やくざを彷彿させる容貌と組織に与しない生き方、そして殺伐とした事件風景への観察眼からは、冷徹な印象を受けます。


しかし、


「-お前、誰のために検視をしているんだ?」


「確かに不倫絡みの心中なんて珍しくもなんともねえ。(中略)-こいつらにとっちゃ、たった一度の人生だったってことだ。手を抜くんじゃねえ。検視で拾えるものは根こそぎ拾ってやれ。」


その言動と観察眼の先には、被害者への思いに満ちた眼差しと筋の通った生き方が。


そして、組織を忌み嫌う反面、彼を取り巻く同僚への不器用な思いやりには、人間臭さと暖かさを感じ取れる気がします。


全体として、検視の様子等、法医学の取材もかなり行わなければ、これだけリアリティ場面を描くことが難しいのではないかと思いました。そういう意味でも、登場人物だけではなく、作者の作品に対するストイックな姿勢も支持される所以ではないかと。


また、今見ているTVシリーズの「BONES 」と同様、法医学の深さも味わえる作品です。


僕もそうですが、男性は誰もが職務への天性の才能と組織に与しない一匹狼的な生き様には、一度ならずとも憧れを抱くのではないのかなぁ笑う