学生の頃から吉田修一さんの作品はよく読んでいました。


最近久しぶりに読んだのは、「ひなた 」という作品。


普通な男子の普通なブログ-001e


この作品はこんなお話・・・


大路尚純は、新堂レイという有名ブランドの広報として働く女性と付き合っており、その尚純の兄の公一には、雑誌の編集者として働く桂子という妻がいます。女性陣は忙しく働いていますが、一方の男性陣はのんびりとした日々を過ごす毎日。


そんなある日、尚純が両親と暮らす家に兄夫婦が同居を始めることに。


穏やかな生活の中で次第に明らかになる両親の過去と、4人が抱える踏み込むことができない「秘密」。

そして、それぞれの視点から描かれた日常とは・・・。


というものです。


この作品は大きな事件やしがらみに満ちた人間関係はなく、本当に穏やかな日常が優しく描かれています。


しかし、誰もが秘密を抱えているという現実、日々生活している中でふと感じてしまう焦燥感には共感すると共に、やり切れなさを感じずにはいられません。


けれども、ある時、当然に感じていた夫婦や恋人、そして家族との絆に対して、「自信がない」と感じてしまうことも決して悪いことではないと教えてもらった気がします。それでも一緒にいたいと思えるのが、夫婦であり、恋人であり、家族なのではないのかなぁと。


最後はきちんとした答えは描いておらず、読み終えた時には不安な気持ちになりましたが、逆にそれがとてもリアルで、人生ってこういうものなのかなぁと思ったりも・・・。

当たり前だと思っていた家族や恋人(いませんが・・・)の存在を改めて考えさせてくれる作品でした。