ツアーに一旦区切りをつける…ということで、東京は4日間の公演。その気持ちは尊重しなければならないけど、この先演奏を生で聴けなくなると思うと寂しさでいっぱいになる。
ラリーのおかげでクルセイダースもスティーリー・ダンもフォープレイも長く聴いてきた。もしかしてライブ中感極まって涙を流すかも…と思っていたのに、実際のところ全然そんな感じではなく、むしろ微笑ましく始まりました。
まずは拍手に迎えられてラリーとメンバー全員が入場と思いきや、すかさずベースのトラヴィスがiPadを楽屋に忘れてきて取りに退場
ラリー:「あれが、私の息子だよ。戻ってきたら大きな拍手をしてくれ。」
拍手に迎えられ戻ってきたトラヴィス:「おれクビかな?」
ラリー:「クビにするにはもったいない。」
なんて親子のやり取りから始まったライヴ。
1曲目のMinuite by minuiteから違和感が。それがどこから来るのかずっと考えていた。ビルボードライブの変わった造りのせいかな…なんて最初は思ったけどそうではなく、ドラムのゲイリー・ノヴァクの主張ある叩きっぷりによるものでした。
曲によって繊細に、またダイナミックに一体どうやって叩いているのか柔らかい手首を器用に使って私には千手観音のように見えましたとってもうまくて気になるドラマーさんと思いがけず出会ってしまった喜びに浸りながら、最後まで楽しめました。
フォープレイの曲は、2000年のアルバム"...Yes,Please!”から「この曲好きなんだ。」と”Blues Force"を演奏。
また、アンコールにて1991年のアルバム”Fourplay”から”Bali Run”を。この曲がフォープレイで一番好きだったので、イントロが流れただけでもう最高な気分。いつまでも聴いていたかった。
ライヴ途中のラリーは、1曲演奏し終わる度に大きく息を吐いたり、両手を大きく開いて伸びをしたり、結構体調的にしんどいのかもしれない感じに見えた。
スティーリー・ダンの”Kid Charlemagne”の演奏前には、
「これが難しいんだ。」って言いながら左手の指を1本1本伸ばす仕草をした時には、だいぶ指が震えていた。
ラリーにとって難しい演奏などあるわけがなく、自分がやりたい事が体調的に出来ずらくなって、指のコントロールが難しくなってしまったのかもしれない。
そう思うと、ここでツアーを一旦終わりにすると決めたのも納得がいく。
でも、アンコール後には「See you next time!」って言ってくれたから、いつの日か次があることを信じて待ちたいと思います。
今回のツアーメンバーは、
Larry Carlton / ラリー・カールトン (Guitar)
Travis Carlton /トラヴィス・カールトン (Bass)
Ruslan Sirota / ルスラン・シロタ (Keyboards)
Mark Douthit / マーク・ドゥティット (Saxophone)
Barry Green / ベリー・グリーン (Trombone)
Gary Novak / ゲイリー・ノヴァク (Drums)
素晴らしい演奏、素敵な時間でした
今日の1曲は、フォープレイの”バリ・ラン”をどうぞ