またも苦しさに耐え切れず、タクシーで病院へ向かう病院

 

まず、先生から検査の結果と今後の治療についての話を聞く。がんが既に全身に広がった状態なので、たとえある一部分を切って取ったとしても意味がないから手術はできないこと。今後はお薬(飲み薬)でやっていくしかないこと。私の乳がんはホルモン治療が効くタイプなので、それをすぐ始めること。プラスして抗がん剤もやった方がいいと言われ、斜に構える私。以前も自分の意志でやってこなかった話はしてあったので、私の気持ちを汲み取ってくださり、「抗がん剤と言っても、従来の抗がん剤ではなく、標的となるところだけに作用する分子標的治療薬を使ってみましょう。」と話された。

 

こう言われて、もう手術も出来ないなんて…とショックを受けて悲観的になるのが普通なのかもしれない。そうなると、私は普通じゃない。もう手術なんかゴメンだわって思っていたので、薬でなんとか延命になるんならその方が楽だ…とすら思っている。何よりも直感は大事にしている。

 

抗がん剤治療を選んだ方々が、一生懸命治療をされているというのに本当に申し訳ないが、私はどうしても受け入れる気持ちになれないのだ。

 

今回は信頼のおける先生の言う通り、治療を進めていこうと思った。これが最後だ。

 

ただ懸念することが1つ。それは、勤務先をやめて保険証を返却してしまったため、資格喪失証明が届くのを待っていた

タイミングで、手元に保険証がなかったのだ。つまりは、自費診療。

 

先生にお伝えしたところ、「え~、自費はやめた方がいいですよあんぐりそれでは、今日はホルモン剤だけにしておきましょう!」と翌朝から飲むフェマーラのみ処方された。「抗がん剤は保険証が用意できてからにしましょう。」と。それほど

高額のお薬というわけだ札束

 

「では、この紙にサインをお願いします。」これから施す胸腔ドレナージの説明を一通り受けた後に、そう言われてサインした同意書。それを持って処置室に移動するよう言われた。胸水を抜くって大変なことのような気がして、手術室に行くものかと思い込んでいたので拍子抜けした。

「この丸椅子に座って、ベッドに腕を乗せて顔を伏せてください。」ここで、この体勢を1時間保つことになるとは。

 

 

<つづく>

 

今宵はダイアン・バーチ。彼女の声や歌い方が好きで、一昔前によく聴いていた心地よい曲。ホール&オーツのホールが自分のスタジオにゲストアーティストを呼んでジャムるシリーズの1曲です。