2011年から毎年メキシコに通い、蒸留所を訪問し続けてついに、私にとって1つの大きな目標を達成しました。
テキーラの製法の中で、アガベの搾汁に昔ならではの石臼(タオナ)を使っている蒸留所は、150ヶ所以上ある蒸留所の中でもたったの6ヶ所のみ。
今まで、5つの蒸留所《フォルタレサ、パトロン、シエテレグアス、ペルノリカール(オルメカアルトス)、ラ・アルテーニャ(エルテソロ&タパティオ)》を訪問し、ついに最後の1つサンマティアス蒸留所に行くことができました。
ちなみに、コフラディアでも今年から個人オーダー用で小型のタオナを使用しているそうですが、こちらも訪問済み
テキーラオタク過ぎるこの目標達成者は、日本人では初めて(私の知らない方でもし先にいらしたらすみません)で、恐らく世界的にもCRTやCNIT職員(笑)以外ではほとんどいないと思います。
基本的に、企業秘密もあるので、生産者同士でお互いの蒸留所を訪問し合うことはあまりないので、メキシコ人でテキーラビジネスに関わっている方だと、他の蒸留所に行けなかったりします。
さて、前置きが長くなりましたが、ゴールとなったサンマティアス蒸留所をご紹介します。
テキーラの蒸留所では珍しいテパティトランのエリアにあり(蒸留所はここだけ)、130年以上の歴史があるファミリー企業です。
現在、7つのブランドを作っています。
アガベは半分以上はテパティトランのエリアのものを使い、残りの40パーセントは他のエリアのものを使っています。
蒸留所にトラックで運ばれてきた中から4〜5つセレクトして糖度を確認し、半分に割ってからコゴージョ(アガベの芯の部分)を取り除きマンポステラ(オーブン)で45時間加熱をします。
マンポステラはなんと11台もあるため、1日20トンのアガベを加熱することが可能。
その後10〜12時間冷やして、人が入って作業出来る温度になってから、人力でシュレッダーへ運びます。
ちなみに自社商品以外では、オーダーの内容によりアウトクラベを使う事もあるそう。
300馬力で圧縮して98パーセントの糖分を搾汁しますが、使用するお水は地下水を使っています。
アガベの絞りカスのバガスは、リサイクル業者に渡しその後紙やレンガになって再利用されます。
ステンレスタンクで3日間発酵しますが、この時に使う酵母の量をブランドにより変えて味を調整。酵母は1種類で同じものなので、酵母がどれだけテキーラの味に影響があるかわかります

そして!!気になっていたタオナですが、なんと130年前からずっと同じものを使っています。
まさかのロバの頭がついていてぺぺ
と呼ばれて、大切に使われているタオナで、少し小型の石臼で12時間アガベを搾汁。

かなり古いので、途中ガタガタしたり…かなりシュールな感じでしたが
あえて、ずっと使い続けているそうです。

あえて、ずっと使い続けているそうです。
ぺぺによる搾汁が終わったものは松の木の樽で発酵の過程に入ります。
最後のタオナ
なかなかすごいものを見せていただきました。

ちなみに、「サンマティアス タオナ」は100%タオナラインを使っているのですが、100%タオナのブランドはフォルタレサとエルテソロ以外ないので、とても貴重です。
テキーラ好きの方にはタオナのテキーラの独特なアガベ香がはまる!と言う方も多いので、
残念ながら日本未入荷ブランドですが、現地で購入する機会があればぜひ試して欲しい。
テキーラ好きの方にはタオナのテキーラの独特なアガベ香がはまる!と言う方も多いので、
残念ながら日本未入荷ブランドですが、現地で購入する機会があればぜひ試して欲しい。
蒸留&熟成に関しては後編でご紹介します!