6月に新商品が発売されたメキシコ・グアダラハラ出身のギタリストカルロス・サンタナのプロデュースする「カサノブレ」をつくるコフラディア蒸留所。
テキーラ村から車で15分の高地にあり「隠れた宝物」と呼ばれる美しい敷地や景色に囲まれた場所。
5月に、4度目の訪問をしてきました。
蒸留所名と同じコフラディアをはじめ、様々なブランドを手掛けるコフラディア蒸留所には、2017年2月に樽型のコンドミニアムホテル「Matices Hotel de Barricas」がオープン!以前は4室限定のホテルでしたが、現在36室→55室まで増室予定で、朝食・蒸留所ツアー付きの宿泊プランでどなたでも利用することができます。
3年~5年もののアガベを使用し、大きさではなく糖度で使用するアガベをセレクトしています。
カサノブレは7年ものくらいが平均で、10年以上育てると熟成し過ぎてしまう可能性があり、現在はあまり使われていません。オーガニック栽培のアガベのみを使用していますが、アガベは基本的に株分けで栽培されますが、イフエロス(アガベの子株)も、50センチくらい葉がのびてオレンジほどのサイズのものだけを選んで植えています。材料のアガベへのこだわりをひしひし感じますね!
ちなみに、テキーラの味わいの特徴を出すためコゴージョ(アガベの芯の部分・苦味のもの)は取らずに残す用にしています。
アガベはサイズにこだわらず、土壌によって大きさも違うので、糖度を図り基準をクリアしたものを使用します。
5時間加熱:苦味=捨てる
5時間加熱:セミスイート=酵母に使用
5時間加熱:スイート=酵母に使用
というアガベの過熱段階から、非常にこだわっていて合計35~40時間加熱し、最後にじっくり加熱したものだけテキーラに使用ています。
ちなみにアガベの搾りかすは、リサイクルした畑の肥料にしています。
その後マンポステラ2回、シュレッダー1回のアガベジュースを酵母として使用し、72時間自然発酵します。
酵母が死んでしまうので、38度以上にならないよう温度調整し、3時間ごとに責任者の方が発酵温度を確認。もし温度が上がりすぎた場合は、タンクのまわりに水を流して温度を調整します。
1回目の蒸留で28%くらいにし、ヘッドは捨てますが、テールは2度目蒸留に使用します。
2回目の蒸留で50~60%のテキーラになるので、そこにこの土地の火山岩で自然にろ過されたお水を使用して加水します。
(カサノブレの場合は3回目の作業のあと)
ちなみに、蒸留したあとカサノブレはブランコのテキーラに、酸素を入れてマイルドにする作業を行っています。60種類近いサンプルを作り、酸素の量・注入時間をラボで研究し味を決定したそうで、以前の製法とはまた違い新しい技術を使用しています。
タオナバーがある洞窟のようなレストランで、蒸留所でとれたマンゴーを使ったマルガリータや、ストレートでテキーラを楽しませていただき、とても贅沢なディナーになりました。
日本ではまだ旧デザインのボトルが販売されていますが、新デザインになったカサノブレのハーフボトル、新商品のホーヴェン(ブランコにレポサドやアネホをミックスしたもの)や、待望のシングルバレルの発売もあり、益々話題になりそうです!
コフラディア蒸留所には、多数のブランドがあるので、いつか日本でもカサノブレ以外のラインナップが増えたらいいですね。