今。
今はネカフェだけど。
きっかけは抱きついて来たことから。
いつも抱きつかれると私はイヤそうにするのだけど、モラ夫はこの頃「嬉しいよ」とか「ありがとう」とか言って勝手に盛り上がろうとして来る。
なんとかすればセックスに持ち込めると思っているみたいだ。
私は私で、セックス拒否だけでなく抱きつかれるのもそろそろはっきり断りたくなってきていた。
イヤそうにしてばかりいるのも不誠実な気がするし、向こうだってわけがわからないとストレスが溜まるだろう。そのうちキレるかもしれないし。
そう思いながらやっぱりイヤそうにしていたら(だっていつもPCで仕事中なのに身体を持って行こうとする)、
「イヤなの?」と訊いてきた。
昔の私だったら、相手に悪い気がして「イヤだ」って言えないところだ。「イヤっていうわけじゃないんだけど…」って言うゼッタイ。
今回も「イヤだ」のところを省略してしまった。
「だってモラ夫私のこと人間だと思ってないでしょ」
「どうして?」とか「何のこと?」とか驚いた返事が返ってくると思ってた。
違った。
「だってさあ、ほととぎすもう俺のこと好きじゃないでしょ」ときた。
認めるのか? 人間だと思ってないことを。
私がモラ夫のことを好きじゃないと知っていて、私に対して人間じゃない対応をし、そして抱きつくのか?
行動が分裂しているぞ。
まあ、そこを突っ込んでもラチはあかない。わかっている。
それより私は、モラ夫の問いに答えなければいけない状況に立たされていた。っていうか、チャンスはいつも向こうからやって来るんだな。