横浜そごう紀伊国屋の店頭で、目に留まり、なんとなく購入した一冊。思えば、韓国の映画は沢山観たことはあるが、小説は読んだことがなかったなと思いつつ、しばらく寝かせてしまった本です。
冒頭、死体の発見から始まる物語は、ミステリーの展開と想像しましたが、登場人物それぞれの視点から話が展開し、家族の中の微妙な距離感、永遠に近づくことのない距離感が生々しく伝わってきました。
結局、家族と雖も、視点は違い、感じることも違う。一般的な家族にも大なり小なり、同じことが言えると思います。もっとも、この家族のように、大きな秘密を抱えるケースは多くはないと思いますが。
そして、華僑であることによる孤独感と過去の恋人の秘密。
妹の失踪を機械に壊れていく家族の関係は、緻密な表現の中で表現されているので、自然に受け入れられるものでした。
華僑は、私の身の回りに多く存在しますが、もっと、さばけていて、国へ依存しない力強さをいつも感じてきました。しかし、もしかしたら、国に依存しないことによる自分の足場の脆さを感じているのかもしれないと改めて思った次第です。