白が舞う 三十九話 | TRIP 嵐 妄想小説

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嵐さん大好き♡
智君担当♪山好き♡で
皆様のブログを見ているうちに書きたくなってしまいました。
妄想小説です。腐っているので注意してください!
タイトルに愛を込めて、嵐さんの曲名を使わせていただいてます。
ご理解いただけると嬉しいです。



「主は今晩、祓い屋協会の集まりで留守にするので、

 その間に祓っておいて欲しいとのこと。」

なんでだよ、そんなの父ちゃんがやれよ!

「大野君の……力が見たいんじゃない?」

俺じゃなくて、狐のだろ?

『いいぞ、引き受けてやっても。その代り……わかってるな?』

……恋人とイチャイチャさせろってことだろ?

だから、それはちょっと待てって昨日あれだけ言ったじゃん!

「じゃ、今日はウチに寄らずに真っ直ぐ帰るね?」

え、それは……寄っちゃダメ?

上目使いで櫻井君を見ると、櫻井君がクスッと笑う。

「……大野君のご両親にご挨拶しておこうかな?」

え、それって、俺ん家に来てくれるってこと!?

「坊ちゃんのお連れさんからいい匂いがしますが、こちらさんはどちらさんで?」

三毛猫が鼻を上げて、クンと匂いを嗅ぐ。

簡単に櫻井君の匂いなんか嗅ぐな!

「こいつはわしのものだ。手を出すと言うことがどういうことか……わかるな?」

狐のドスの利いた声に、三体が震えあがる。

だから、勝手に出て来んなって言ってるじゃん!

「ほぉ~、これが白狐様の声。」

「ありがたやありがたや。」

「本当に白狐様が、ここに!」

震えたのは怖がったからじゃなく、嬉しくて感極まった!?

『では、こうしよう。わしがササッと解決してやるから、その後、お前たちも

 ちゃっちゃとヤッてしまえ。そうして、その後は……わしと翔が……。』

狐が完璧な計画だと言わんばかりに、うんうんとうなずく。

だから、そう簡単にはいかないの!

櫻井君は俺を見てクスクス笑う。

「また何か……無理難題を言われた?白狐様に。」

「ま、まぁね。」

無理難題ってか、それしか考えてないから、狐は!

「大野君の顔見てるとわかる。……コロコロ変わるから楽しいね。」

櫻井君の笑顔が可愛くて……なんかモゾモゾしてくる。

ダメダメ、授業中だぞ!

わかってるのか俺!

『いいぞ、結界を張ってやっても。』

狐がさもおかしそうに笑う。

『どうした?張って欲しくないのか?』

…………。

……張って……欲しいけど。

『なら、素直にそう言え。』

俺の手がスッと小さな円を描く。

少し、先生の声が遠のいたような……?

え?これで終り?

もう結界張られてるの?

疑心暗鬼な俺に、狐が笑う。

『わしを疑うのか?』

立ち上がって、椅子がガタッとなる。

振り返る者は誰もいない。

すでに席についてノートを開いてる斗真も、欠伸を噛み殺してる風間も。

まじか。

まじ、見えてないのか。

窓の外の妖たちも、宙に浮いたまま俺らを見る視線が動かない。

狐が自慢げに鼻で笑う。

『わしの結界は強力だ。誰も入ってこられない。誰も出て行けない。』

櫻井君の顎を俺の手が掬う。

「え?大野君……?」

ニヤニヤ笑う狐。

ちょっと待てっ!

ここは譲らねぇよ?

櫻井君は俺の!

「じゃなく、白狐様?」

おっ、櫻井君にはわかった?

『ちっ、わかるのか。』

櫻井君が少し頭を下げる。

「はい。表情が全然違います。」

さすが櫻井君!

観察力すげぇ。

狐が面白くなさそうに引っ込んでいく。

櫻井君の顎を掬う俺の手に温かみが増す。

「櫻井君……。」

俺の顔が近づく。

「大野君……?」

逃げることなく、見つめ返して来る櫻井君の瞳。

黒くて大きくて、キラキラしてる。

恥ずかしそうに視線を逸らし、頬が赤くなる。

俺が何しようとしてるかわかって、戸惑ってる?

戸惑う顔も可愛い!

「大丈夫。狐が結界張ってくれてるから。」

俺の顔が櫻井君の顔にさらに近づく。

「でも、恥ずかしくない?教室でって……。」

「櫻井君がそんな可愛い顔するから……。」

「……なんだよ、それ。」

「可愛いは可愛い。」

上 唇 の先だけ少しくっつく。

「大野君の方が可愛いよ……可愛くてカッコいい。」

その恥じらう表情に……グッと何かが沸き上がって来る。

「櫻井君もカッコ良くて……可愛い。」

唇 が完全に重なる。

柔らかい 感 触 に、止められない何かが俺を突き動かす。

開いた 唇 から押し込む 舌。

櫻井君の手が、俺の腕を握り締める。

絡 まる 舌 に気付く者は誰もいない。

さすが狐。

結界、万歳!

「ん、はぁ……おお…のく……んふぅ……。」

櫻井君の 吐 息 混じりの声に、ゴクッと喉が鳴る。

さらに 舌 を 絡 め、余すところなく味わう。

櫻井君の キ ス って、なんて甘いんだろ。

ゾクゾクが止まらない!

背中を撫で、角度を変えた拍子に櫻井君の 唇 が、チュプッと鳴る。

ああ、ダメ、俺、ここが教室だって忘れそう……。

「ん、んんっ、さと…し……。」

櫻井君の甘い声に、ビクッと何かが弾ける。

「呼んだな?俺を。」

狐が喜々とした声で、櫻井君を抱きかかえる。

え?なんで?

ここで出てくんなよっ!

「あ……白狐様……?」

「お前が呼んだのだぞ。翔、お前だろ?お前が呼んだんだな?」

櫻井君の表情が、スッと代わる。

え?まじ?

まじ恋人に代わった?

「いつでも呼んでおりますよ。狐殿のことは。」

「……待たせたな。」

「そうでもありません。狐殿がいることはわかっておりますから。」

櫻井君が涼し気な顔で笑う。

いつもより爽やかでサラッとした感じ。

櫻井君も代わっちゃったの!?

「こいつらに任せておくのは時間がかかってしょうがない。

 わしらの時間はわしらで……な?」

「狐殿……。」

櫻井君の唇が誘うように震える。

待たせてごめん。

本当に悪いと思ってる。

でも!

代われ、狐!

櫻井君に戻せっ!

『そうはいくか。やっと会えたんだ。いろいろしなきゃならんだろ?』

狐がいやらしく笑う。

ダメダメダメ~~~っ!

櫻井君の最初は俺の~~~っ!

『仕方ないな。少し休め。』

え?休め?休めってどういうこと!?

と思っているうちに、どんどん意識が遠のいて行く。

うそ……だろ?

俺の……から…だ……ま…じ……か…………。

最後に見たのは優しく笑う、恋人の笑顔で……。

完璧に俺の意識は失われた。









 


切りがいいので、次にちょっとだけ。

すぐ上げられると思う~。

本当に次がラストだから!(笑)