WONDER-LOVE Ever -117- | TRIP 嵐 妄想小説

TRIP 嵐 妄想小説

嵐さん大好き♡
智君担当♪山好き♡で
皆様のブログを見ているうちに書きたくなってしまいました。
妄想小説です。腐っているので注意してください!
タイトルに愛を込めて、嵐さんの曲名を使わせていただいてます。
ご理解いただけると嬉しいです。



ガタガタと蓋を揺すると、ほんの少し隙間ができる。

そこへ、ブランが伸ばした爪を引っ掛ける。

「う~、もうちょっと爪が長ければ~!」

「僕、どうすればいい?揺らす?」

「う~ん、それより……。」

ブランが言い掛けたところで、早まったノアがキャリーケースを揺らす。

籐で編まれたキャリーケースは丸みがある。

二人の視界がグワンと揺れる。

「「ぅわぁ~っ!」」

世界が180度回転する。

上に飛びついていたはずが、今は足の下に蓋がある。

「ダメだよノア!これじゃ押し付けられて余計固くなっちゃう。」

「ごめんごめん。」

ノアはまた上に飛びついて、キャリーケースを揺らす。

グワングワンと揺れるキャリーケースは、揺れただけに留まる。

ブランも飛びつき、一緒になって揺らすと、キャリーケースがまた回転する。

それと同時に引っ掛けてあるだけの蓋が開く。

「開いたっ!」

素早く見つけたノアが飛び出る。

「あ、待ってノア!」

ブランも続いて走る。

二人はリビングを一周すると、ダイニングを走り回る。

キッチンは狭くて、正面衝突しそうになるが、パッとかわして、廊下に出る。

一階を隈なく走り回ると、ノアは階段の下で立ち止まる。

「いないね、サトシ。」

「うん、いなかった。」

「後はどこ?」

「2階に寝室があるよ。」

「そこかな?」

「そこだよ。」

ノアがニコッと笑って階段を駆け上がる。

ブランも続いて駆け上がる。

2階の部屋は閉まっていて、そっとドアに耳を近づける。

「音……しないね。」

「うん、こっちも。」

隣の部屋の様子を窺っていたブランも首を捻る。

「後は?」

「どこだろ?」

二人は顔を見合わせ、また階段を駆け下りる。

さっきは気づかなかったが、洗面所のドアが少し開いている。

それに気付いたブランが中へ駆け込む。

「こっち!」

「ブラン、待って!」

洗面所に入ると、バスルームの明りが点いている。

「サトシの匂い!」

「この中……?」

二人は耳を立て、中の音に集中する。

ポタポタ、クチュクチュと水音が響く。

「あ、あんっ……ショ……。」

サトシの苦しそうな声に、二人は顔を見合わせる。

「サトシが苦しんでる!?」

「帝王様に苛められてる!?」

二人は慌ててドアに近づこうとして、足が止まる。

「ぁあっ、好き、ショ……大好き……。」

「ふふふ、サトシ可愛いよ。俺も大好き。苛めたいくらい大好き……。」

ブランとノアが、バスルームの磨りガラスを見上げる。

「大好きだと苛めたくなっちゃうの?」

「苛められても大好きなの?」

またバスルームから声が聞こえる。

「もっ……と、もっと、早く!」

「わかってる。」

シャワーの音が響いて、その後はところどころしか聞こえなくなる。

ノアとブランは顔を見合わせる。

「どうする?」

「どうしよ?」

二人は首を傾げて考え込んだ。